2009(平成21)2月25日 国民生活・経済に関する調査会(仮説1「人口減少によって一人あたり国民所得は高まり、国民幸福度も向上する」に関する意見交換)

 

○会長(矢野哲朗君) 国民生活・経済に関する調査を議題とし、「幸福度の高い社会の構築」のうち、仮説一、「人口減少によって一人当たり国民所得は高まり、国民幸福度も向上する」について委員間の意見交換を行いたいと思います。
 本調査会は、これまで「幸福度の高い社会の構築」をテーマに、仮説一、「人口減少によって一人当たり国民所得は高まり、国民幸福度も向上する」について調査を進めてまいりました。本日は、これまでの調査を踏まえ、その中間取りまとめとして、委員各位の御意見をお述べいただきたいと存じます。
 議事の進め方でありますけれども、まず各委員からお一人五分以内でもって御意見の表明を行っていただきました後、午後三時半ごろまでを目途に、委員相互により自由に意見交換を行っていただきたいと思います。
 
(中略)
 
○会長(矢野哲朗君) ありがとうございました。
 それでは、行田邦子君、お願い申し上げます。
 
○行田邦子君 これまで六人の参考人から御意見を伺いまして、それを踏まえた上で、私は、素直にこの仮説一の検証というよりも、実現するには何が必要なのかという視点で私なりに考えてみました。
 これまで六人の参考人の御意見の中まとめますと、人口減少によって、一人当たり国民所得を高めるためには、まずより多くの人に働いてもらう、女性や高齢者は担い手と言えると思います。そしてさらに、生産性を高めるということ、これは一人の労働時間を長くするということではなくて、時間当たりの生産性を高めるという、この二つだったかなというふうに思います。
 ここで、より多くの人に働いてもらうという、中でも女性の就労ということについて、若干私自身の経験も踏まえましてお話をさせていただきたいと思います。
 私は、平成元年、一九八九年に大学卒業しまして民間企業に就職をしました。男女雇用機会均等法施行三年後の入社なんですけれども、いわゆる男女雇用機会均等世代と言えるかと思うんですけれども、この均等法の施行後の職場というのはさぞかし男女の平等というのは進んでいるだろうというふうに思われる方も多いかと思うんですけれども、実際、平成元年のその当時というのは、まず私が職場に行きまして上司や先輩から言われた、たたき込まれたことは、女性は男性の三倍働いて一人前と思えと、もうおまえは結婚あきらめろということをたたき込まれました。これがその当時の職場の現状だったかと思います。
 そして、その八九年、私が就職したときに、いわゆる一・五七ショックという、出生率が一・五七にまで下がってしまったということがショックということで取り上げられたかと思うんですけれども、働く現場にいればこれはもう起こって当然のことだろうというふうに思っておりました。その後、女性が働きやすい環境、産休、育休を取りやすい環境ということでかなり法制度というのは整備されたかと思うんですけれども、それでも、まだ依然、女性が第一子を出産をする、このことを機に七割の働く女性が会社を辞めてしまう、退職をしてしまうというような数値も出てきています。
 女性にとって同じ職場で働き続けるということは、結局今までと同じ働き方、男性と同じように長時間労働を強いられるということを意味するわけなんですね。そうすると、子供ができてからも同じ職場で働き続けるということは、これまでどおり長時間労働をして、かつ子育てもしなければいけないということになります。皆さんが皆さん、女性はスーパーウーマンというわけではありませんので、それができる方もいるんだとは思いますけれども、恐らく多くの女性というのは、育児とそれから仕事の両立ということは難しくなってしまうというような状況がまだ続いていると思います。
 そして、子育てが一段落して労働市場に戻ってきた場合、多くの女性は正社員ではなくて、パートやアルバイトというような就労形態で働くことになるというケースが多いと思います。これは、正規雇用の就労形態に多様性がないからこのようなことになってしまうかと思うんですね。今ワーク・ライフ・バランスというような言われ方されますけれども、正規雇用の就労形態の多様性を認める、労働時間や働き場所、働き方の多様性について労働現場全体で考え直さなければいけないということを今回のこの仮説一の検証を通して私は改めて考えました。
 労働時間を、女性だけじゃなくて男性も短縮して、そしてその一時間の労働を密度の濃いものにしていく、余った時間をプライベート、家庭やそれから育児、そういったことに充てていくという働き方の見直しということを今こそ人口減少社会を迎えるに当たって考えていかなければいけないというふうに思っております。
 仮説の実現ということで、人口減少により一人当たり国民所得を高めるには、女性や高齢者といったより多くの人に働いてもらい、時間当たりの生産性が高い働きをしてもらうということではないかと思うんですけれども、ただこれは、何かこの物の言い方が非常に私自身も気になりまして、これは為政者の物言いではないかなというふうに言っていて感じるんですけれども、むしろこれを、そもそも国民が国のためにあるのではなくて、国が国民のためにあるという視点から、国民の視点からと言い直した方がいいというふうに思っております。なので、この仮説を逆から言い直すとすると、女性や高齢者など働きたいと思っているより多くの人が労働という密度の濃い充実した時間が過ごせることによって国民幸福度が向上し、人口減少でも一人当たり国民所得が高まるというように逆に言い直したいなというふうに考えております。
 以上です。

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