2009(平成21)3月26日 厚生労働委員会質問(雇用保険法等一部改正法案について)

 

○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。
 本日は、雇用保険法改正案の審議という大変大切な場におきまして質問のお時間をいただきましたことを委員長始め委員の皆様にまずもって御礼を申し上げたいと思います。
 景気が急速に後退する中で、雇用が大変厳しい状況にさらされています。昨年末から、雇用の問題についてこの国会でも審議が繰り広げられています。今や三人に一人となった非正規雇用者に対してどういうセーフティーネットを整えることができるのか議論がされておるところですけれども、非正規労働者あるいは非正規雇用者という表現が国民の間にももはや浸透されているような状況にもなっております。
 私自身、契約社員、いわゆる非正規雇用者という立場で働いた経験がございます。この非正規雇用者という呼び方について、私自身、この言葉を発するたびに、非常に何だか物悲しい思いを抱いております。正規じゃない労働者、正当ではない働き方、正式ではない雇用、正社員じゃない雇われ方で、それでも必死になって働いているにもかかわらず、自分自身が必死になって働いているその働きを何だか否定されてしまっているような、このような思いになってしまうわけなんです。確かに、今非正規労働者の間に起きているこの悲惨な状況、ばさばさと首を切られてしまうというこの悲惨な状況を考えれば、この非正規という表現は的確なのかもしれませんけれども、私自身は、いまだにこの言葉を発するたびに何だか抵抗を感じているわけです。
 今日は、私自身の契約社員、非正規雇用という立場で働いた経験、そして派遣社員あるいは契約社員といったいわゆる非正規雇用者という立場で働いていたかつての同僚のことを思い出しながら質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、この現下の厳しい雇用環境、雇用情勢に対してどう対応しているのかという確認をさせていただきたいと思っております。
 今回の雇用保険法改正案、施行日を四月一日から一日早めて三月三十一日にするという、このような修正がなされました。このことによって、何万人という今まで雇用保険の適用になっていなかった特に非正規の方たちが救われると、雇用保険の受給対象者になるということです。この施行日の一日前倒しということを私は評価をしたいと思っております。
 しかしながら、まだまだ雇用環境非常に厳しい状況にあります。その中で、三点のポイントで確認をさせていただきたいと思いますけれども、一点目は、とにかく失業を未然に防ぐ、雇用を維持するという点、そして二点目、失業してしまった人をどう救済するか、支援するのかという点、そして三点目が新しい仕事の確保と、この三つの視点から確認をさせていただきます。
 一点目ですけれども、とにかく失業を未然に防ぐ、雇用を維持するということで、今雇用調整助成金の申請が大変増えていると聞いています。一月末現在で八十八万件と、二か月前の十一月と比べると百倍になっているということをお聞きしております。
 この雇用調整助成金、二十一年度の予算が五百八十一億円というふうにお聞きしております。この五百八十一億円という予算についてお聞きしたいんですけれども、この年間五百八十一億円の積算根拠といいますか、これで一年間にどれだけの方が雇調の対象者になるのかという数字を教えていただけたらと思います。
 
○政府参考人(太田俊明君) 雇用調整助成金でございますけれども、今御指摘ございましたように、失業の防止をする、雇用の維持をするということで大変重要な役割を果たしておりまして、休業等の実施計画届の件数も大幅に増加しているところでございます。
 二十一年度予算では五百八十一億円の予算額を予定しているところでございまして、想定している対象人日で計算いたしますと、七百八十二万一千人日の対象の方がこの予算で想定している人数でございます。
 
○行田邦子君 七百八十二万一千人日というと、大体、今までの実績ですと、お一人当たり年間五十日ぐらい休業、雇用調整対象になっていると。そこから考えると、年間十六万人程度がこの五百八十一億円で賄えるという計算になるかと思います。そうすると、もうこの今の時点で平成二十一年度の予算、雇調金の予算というのは足りないということが目に見えている状況だと思います。これに対してどういうふうに対応していくのかという点が一つ。
 それと、再来年度、平成二十二年度、さらには急速に雇用の環境が良くなるという可能性は非常に低いと思っています。さらに平成二十三年度、こういった雇用調整助成金の支給を続けていくと、大体年間で百万人の方がこの雇調金を受けると計算しますと、今現在、八十八万人申請が来ているわけですから、それが百万人になるということは、これは可能性としては高いと思うんですね。年間百万人ベースで計算をすると、大体一年間に三千億円程度の予算が必要になるというふうに思われます。
 この予算についてどのように手当てをしていくおつもりなのか、大臣にお聞きしたいと思います。
 
○国務大臣(舛添要一君) これは、委員御承知のように雇用保険二事業で賄っております。そういう中で、基本的にはやってみないと分からないということなんですけれども、ただ、もし仮に支出が超えて必要になった場合にはほかの助成金にかかわる予算の活用というのはありますし、それから予備費も二事業についてはございます。それから、雇用調整助成金の支払財源として今言った予備費というのを使うということを考えておりますし、いずれにしましても、政府全力を挙げて、もしそういうことに立ち至ったときにはきちんと財源の手当てはしたいと思っております。
 
○行田邦子君 この雇用安定二事業の積立金残高は今約一兆円あります。それで、雇調金だけでも今の計算だと百万人支給であれば三千億円、年間必要と。ということを考えると、やはりこれは近い将来、このままではこの雇用安定二事業の積立金、底をつく可能性もあるということを指摘をさせていただきたいと思っております。
 今、非常に多額の、何千億円という雇用主の皆様が拠出をしたお金が雇調金に充てられる可能性があるということを確認をいたしましたけれども、この雇用調整助成金を実際に休業されてその後支給をします、その支給をした後の何かフォローというかフォローアップといいますか、というのをされているのかどうか、その確認をさせていただきたいと思います。
 
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
 今お話のございましたように、雇用調整助成金制度、できる限り失業を防止し、雇用の安定を図るということが目的でございます。このため、事業主がこの制度を利用して労働者の雇用をできるだけ維持していくことが望ましいと考えておるところでございまして、今お話しのようなフォローアップなども適宜行っていきたいと思っております。
 追跡調査につきましては、毎年、助成金利用後の一年経過後において、助成金利用事業所における対象労働者の雇用維持割合について調査を行っているところでございまして、追跡調査ですのでちょっと数字は古いんでございますけれども、平成十六年度におきまして雇用維持割合は七二・三%と、こんな数字になっているところでございます。
 
○行田邦子君 今までと違って、何千億円という規模の予算が投入されるわけですので、ここは今まで以上にしっかりと、支給をした後に本当に雇用が継続されているのかということを調べていただきたいと思います。また、それをしっかりやることによって、このことによって首を切らないという抑止機能の効果も果たせるのではないかというふうに考えております。
 次に、二点目なんですけれども、失業者の救済についてです。
 今回の雇用保険法改正ということで、雇用保険の適用対象者を一年見込みから半年というふうに下げました。そのことによって、幾分は雇用のセーフティーネット、網目が細かくなるというふうに考えてはおりますが、ただ、これではまだまだ足りないというふうに思っております。現に、仕事だけではなくて、仕事を失ったことによって住居までも失ってしまうという方が本当にあふれています。
 政府でもお取り組みされているということは私も承知をしております。雇用促進住宅の開放ということもやられているというふうにお聞きしております。
 ただ、職と同時に住居を失ってしまうということはホームレスになってしまうということなんですね、こういった方があふれていると。NPOやそれからボランティアで働いていらっしゃる方、失業者を救う、こういったボランティア活動をされている方からお聞きしますと、まだまだこういった一時的に家を失ってしまった方に対する住居の手当てというものは足りないと、とにかく家が足りないという声が聞こえてきます。
 政府でも、生活費や家賃補助、こういった融資の制度も行われていると思います。ただ、その融資が決定するまでの間の住みか、住むところ、あるいは生活保護の申請が受理されるまでの、その間の住むところ、こういった臨時的な宿泊施設が足りないということを聞いております。
 一方、都道府県又は市区町村で、いわゆるシェルター、臨時宿泊施設の設置をされているところもありますけれども、これもまだまだ足りないという声が聞こえてまいります。
 こういう緊急事態を受けて、国としてこの臨時宿泊施設、取り組むおつもりがあるかどうか、お聞かせいただけたらと思います。
 
○政府参考人(阿曽沼慎司君) シェルターについてのお尋ねでございますので私の方からお答えをいたしますが、現在、ホームレスの関係の緊急一時宿泊事業でございますけれども、全国で定員が一千五百四十四名、入所率が七五・七%という状況です。それからさらに、自立支援センターというのもつくっておりまして、食事とか入浴が付いている、あるいは相談機能もある、就労の支援もしているというセンターですけれども、全国で二十四施設、定員二千三十二人、入所率八三・七%という状況で、七、八割埋まっているという状況でございます。
 私どもとしては、今後、自治体とも十分相談しながら、今後のホームレスといいますか、家のない方々の動向をよく見て適切に対応していきたいというふうに思っております。
 
○行田邦子君 都道府県それから市町村でも取組をされているとは思いますけれども、現にまだまだ足りないという状況になっています。国として取り組むつもりがあるのかどうか、そして、もし国としてこういったシェルターをつくることができないのであれば、今二分の一になっている補助率を上げる、あるいは国として都道府県に対してメッセージを発信すると、とにかくやってほしいというメッセージを発信すると、何か更に一層の対応をするおつもりがあるかどうか、大臣にお聞きしたいと思います。
 
○国務大臣(舛添要一君) ホームレスの方々をどう御支援するか、これは、基本的にはやっぱりその自治体がしっかりやらないとかゆいところに手が届かないということなんで、やっていただけると。それで、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法というのがございまして、それに基づいて自治体を支援するということになっています。
 ですから、今すぐその補助率を上げるかどうかという議論はちょっと横においておいて、今の中でどうしてもそういうシェルター的なものを増設したいということがあれば、あらゆる形でそれは御支援を申し上げて、こういう形でやればいいんですよというノウハウも含めてやりたいと思っていますんで、これはもうとにかく現場の声、現場が一番必要なものは何であるかということをよく聞いた上で連携をしっかり図ってやっていきたいと思っております。
 
○行田邦子君 是非、今こういう緊急事態に置かれているということを再認識していただいて、国としての取組、検討していただきたいと思います。
 三点目ですけれども、新しい仕事を確保するという点、私は、職業訓練ということが大変重要だと、特に今このような状況だと大変重要だというふうに思っております。
 先ほど質問させていただいた雇用調整助成金、あるいは失業保険といったことで応急処置をとるということと同時に、職業訓練によって今までよりも人材ニーズの高い産業あるいは成長が見込まれるような産業に雇用を転換していく。また、単純労働であったものを職業訓練によって技能労働へと労働の質を高めていくということが今求められているというふうに思っております。
 そこで、お聞きしますけれども、今、雇用保険受給者の方、そのうち何割ぐらいが職業訓練を受けていらっしゃるのか、同じく雇用調整助成金対象者についてもお聞きしたいと思います。
 
○政府参考人(草野隆彦君) 失業者の方のうち、現在十五万人程度の方、これは雇用保険受給者ですが、が訓練を受けるということで二十年度訓練事業の運営をやっているところでございます。
 
○政府参考人(太田俊明君) 雇用調整助成金の方でお答え申し上げますけれども、一月に受理したものの一万二千六百四十件のうちの休業が約九四%、教育訓練につきましては全体の約六%となっているところでございます。
 
○行田邦子君 大変低い数字だというふうに私は感じました。
 今本当に世界的に産業構造が変わろうとしている、そして経済も変わろうとしている中で、私たちの国においてはばっさばっさと人が切られてしまっていると。そういった失業されてしまった方というのは、今までと同じ職種で働き続けることは今の時代恐らく難しいんではないかと思うんですね。同じ産業で働き続けることも難しいと思うんです。そのときに何をしなければいけないかというと、新しい職業、新しい職種へとシフトができるように、雇用が転換できるようにしっかりと国が責任を持って職業訓練を行っていくということが今まさに求められているというふうに思います。
 政府でも取組がされているということは承知しておりますけれども、私ども民主党それから社民党、国民新党で、先般、求職者支援法を出しました。私たちの法案に込められた思いもしっかりと受け止めていただいて、そして、今職業訓練をしていく、国としてきちんと取り組んでいくということはこれはもう与野党を超えて考えていかなければいけないというふうに思っております。
 次に、雇用保険の適用基準、雇用保険とは何なのかというテーマで幾つか質問させていただきたいと思います。
 今日は、渡辺副大臣にもお越しいただいております。一昨日の小林議員からの質問に対して、渡辺副大臣の答弁を私も聞いておりました。その答弁を聞いて率直な感想なんですけれども、副大臣が雇用保険に対してこのような考え方を持ち続けられているという、このままでは本当に雇用のセーフティーネットを非正規雇用者に対してもしっかりと張り巡らすことができないんじゃないだろうかというふうに感じました。
 そして、衆議院の附帯決議にも、今回大変重要な附帯決議盛り込まれています。すべての労働者に対して雇用保険が適用されることを目指すと、そのために要件を緩和するということを検討せよという附帯決議が盛り込まれています。この附帯決議に、副大臣が一昨日の答弁のままのようなお気持ちでいられるんであればきちんと対応できないのではないかというふうに私は感じました。それで、今日、渡辺副大臣にお越しいただいて、もう一度お考えをお聞かせいただきたいと思っているんですが、三月十三日の衆議院の厚生労働委員会で、渡辺副大臣はこのように答弁されました。
 雇用保険の適用基準を三十日、三十一日と後ほど訂正されましたけれども、三十一日以上雇用見込みとした場合に、一時的、臨時的に雇用される者までも適用されることになりまして、保険料だけ負担をして給付が受けられない、そのようなケースが多数発生する可能性もあり、問題を含んでいるもの、そのように考えておりますと、このように答弁をされました。
 ここで、二点お考えをお聞かせいただきたいんですけれども、まず一点目ですが、保険料だけ負担をして給付が受けられないということを問題視されていらっしゃいます。この雇用保険というのは、これも議論されていることですけれども、共助の制度であると、これはもう厚労省さんも同じ考えだと思います。言ってみれば掛け捨て的な制度であると、これも厚労省さんお認めになっていると思います。私自身も十八年間企業で働いていまして、その間二度転職しております。けれども、幸いにして一度も失業保険のお世話にならなかったと、だからといって掛け捨てで損をしたとは思わないわけなんですね。それがこの雇用保険の制度の本質だと思うんです。一昨日の小林議員の御発言で非常に的確な表現ありましたけれども、火災保険に入っていて火事にならなかったからといって損をしたとはだれも思わないわけなんですね。それは雇用保険も、この雇用保険という掛け捨て制度の本質からいうと同じことだと思うんです。
 渡辺副大臣にお聞かせいただきたいんですけれども、保険料だけを負担して、そして掛け捨てになってしまって給付が受けられないということが問題があるのかという、この点についてどうお考えなのか、もう一度お聞かせいただけたらと思います。
 
○副大臣(渡辺孝男君) この間も答弁しましたけれども、保険料を納めれば必ず給付を受けられるというように、今の雇用保険はそういうふうにはなっておらないわけでありまして、雇用見込み期間が六か月未満の者は、その雇用については、離職時に保険料だけ払って給付を受けられないことがあらかじめ予想されるような方の場合は適用対象として保険料を徴収するにはやはり慎重な対応が必要であろうと、そのように考えているわけであります。
 
○行田邦子君 雇用保険というのは、これは掛け捨て的なものであるわけですから、雇用保険に入りました、払い続けました、でも幸いにして失業しなかった、そういう方は受け取らないと、それでいいんだと思うんですね。今のちょっと御答弁も分かるようで分からない部分があったんですけれども、ちょっともう一点質問させていただきたいと思います。
 一昨日、二十四日の委員会で、小林議員の質問に対して、副大臣、このように答えられています。ちょっと長いんですけれども、そのまま読ませていただきます。
 一般に保険という制度は、同種類の偶発的な事故による危険にさらされている人々が、リスクの分散をするために危険集団を構成して、構成員にもし万一事故が発生した場合に備えると、そういう性格を持っているものでありまして、今お話ありましたように、一時的、臨時的な雇用者の失業までも同種類の保険事故として同じような雇用保険の枠内で対応すべきか否かというのは、やっぱり慎重に検討する必要があると、このように発言をされたわけです。
 これを、私、議事録で見まして、これは、渡辺副大臣、一時的、臨時的な雇用者の失業というのは、いわゆる正社員、常用的な雇用者の失業と同じに考えないでほしいと、同枠にしてもらっては困ると言っているように私は受け止めたんですけれども。
 今何が起きているかというと、一時的、臨時的な雇用状態で働かざるを得ない、そういう不安定な状況で働いている人が非常に増えていて、そういった人たちが雇用保険のセーフティーネットから漏れてしまっていると、保険を受けられなくなってしまっていると、それについてどうしようかということをこの国会で真剣に議論をしているわけなんです。この点について、渡辺副大臣、一昨日の発言についてどのようにお考えなのか、もう少し詳しく教えていただけたらと思うんですが。
 
○副大臣(渡辺孝男君) すべての働く人が雇用保険の恩恵を受けるということは、考え方としてはあり得るわけでありますけれども、やはり保険というのは給付とバランスで成り立っておるわけであります。そういう意味では、短期間に短時間で働くような労働者の場合は自らの労働により賃金を得て生計を立てているとは言えない場合もあり得るということでありまして、このような保険集団の中にこのような方々を含めるということに関しましては、やはり労使の御意見を踏まえて考える必要があるのではないかと、そのように考えておるわけであります。
 そういうわけで、労使の方のお考え方も聞いて、今般の一年以上を六か月以上の雇用見込みへの適用拡大を今回図ることにする法案を提出しているわけでありますけれども、当然ながら、この法案が通りましたら、雇用保険の施行状況を見まして、また衆議院での附帯決議も勘案しまして、今後、労使の意見もいただきながら検討を進めるというふうに考えておるところでございます。
 
○行田邦子君 給付とバランスというのは、これはまた別の問題だと思うんですね。ちょっとすり替えないでいただきたいなというふうに思うんですけれども。今の御答弁を伺っていても、全く雇用保険って何なのかというところが私たち民主党、また私自身とも全く意見が異なるなと、かみ合わないなということを感じております。
 副大臣の発言を聞いていますと、雇用保険という労働者のサークル、輪の中に、一時的、臨時的に雇用される者は入ってもらっては困るというふうにやはりどうしても受け取れるわけなんですよ。首振っていらっしゃいますけれども、そういうふうに感じるわけなんですね。先ほども言いましたけれども、今ばっさばっさと首を切られて職を失っている人たち、不況になると真っ先に解雇されてしまう人たちというのは、一時的、臨時的な雇用にならざるを得ない、そういう不安定な状況で働いている人たちなんですね。今問題になっているのは、そういう人たちが雇用保険の網から漏れてしまっているからどうしたらいいのか、何とかして救わなければいけないと。そのためにどう雇用保険制度を変えたらいいのかという、こういう議論をしているわけなんで、その御認識いただいていないのかなというふうに私は思わざるを得ません。
 そこで、副大臣が先ほどから、一時的、臨時的に雇用される者ということでいろいろ発言、私も答弁を求めていますけれども、恐らく副大臣が一時的、臨時的に雇用される者というイメージというのは、先ほどもちょっと御答弁の中にありましたけれども、一家の大黒柱がいて、大黒柱ではないそのほかの人が大黒柱の収入を補助的に支える、そういう働き方をイメージされているのかなともちょっと思ったんですね。ただ、私は、今いろんな働き方がある、そしていろんな家族形態がある中で、私は一家の大黒柱だけを雇用保険で救えばいいという考え方は改めた方がいいというふうに思っております。雇用保険の対象、このままでいいのかということは、これは再度しっかりと検討しなければいけないというふうに思っております。
 それで、先ほど副大臣の発言の中にもあったんですけれども、雇用保険制度についていろいろ厚労省さんから私も資料をいただいております。その中に、雇用保険の適用基準についてというページがありました。そこに書かれていること、私は違和感を覚えたんですけれども、どういうふうに書かれているかといいますと、雇用保険は、自らの労働により賃金を得て生計を立てている労働者が失業した場合の生活の安定等を図る制度であり、その趣旨にかんがみ、保護の対象とする労働者を一定の者に限っているというふうに書かれていたんですね。
 じゃ、それであれば、例えば一家の収入の三割とか四割を支えている働くお母さんというのはどうなのかと、この文章どおり解釈すると外れてしまうんではないかと、あるいは、親と同居をしていて、親も働いていて自分も同居しているという若い働く方はどうなのかと、こういった方もこの文章から解釈すると外れてしまう可能性があるんじゃないかと、いろんな疑問がわいてくるわけです。
 そこで、お聞きしたいんですけれども、この文章、何に基づく解釈なのかと、どういう位置付けのものなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
 
○政府参考人(太田俊明君) 雇用保険の適用の考え方でありますけれども、雇用保険法第四条第一項では、この法律において被保険者とは、適用事業に雇用される労働者であるということでございまして、その解釈として要領の中で適用の考え方が定められておりまして、雇用保険は、労働者が失業して所得の源泉を喪失した場合に必要な給付を行うことにより、求職活動を支援することを主たる目的として掲げた社会保険制度であることから、その適用範囲につきましては、事業主に雇用され、事業主から支給される賃金によって生活している者を被保険者とするという考え方を取っておるところでございます。
 この適用範囲につきましては、いろいろ議論がございますように、どういう範囲の労働者の失業を保険事故として取り扱うかということで、大変難しい課題でありますけれども、雇用保険制度は労使の保険料を原資とする保険制度でございまして、一定の範囲の者を適用範囲としまして、この保険事故である失業のリスクを分散させることによりまして制度の安定的な運営を図ることが重要でございます。
 こういった制度の趣旨に基づきまして、労使の御意見も踏まえた上で、合意をいただいた上で、自らの労働により賃金を得て生計を立てている労働者について適用対象としているということでございます。
 
○行田邦子君 この文章というのはどういう位置付けのものなのかなんです。もちろん法律でもないですし、政省令でもないですよね。ガイドラインなのか、どういう位置付けのものなのか、もう一度お聞かせいただけますか。
 
○政府参考人(太田俊明君) 先ほど申し上げたとおり、要領で定めているものでございます。法律上の解釈として要領で定めているものでございます。
 ただ、基本的な考え方としては、先ほど申し上げたとおり、やはり保険料負担者である労使の御意見を踏まえた上でこういう形での適用対象を定めているところでございます。
 
○行田邦子君 これ、お聞きしていますと要領であるということで、それで、この要領を各労働局長に対して局長通達という形で、適用基準の考え方はこれですということで通達をしているというふうに聞いております。ですから、これ、厚労省さんとして雇用保険の適用基準はこれであると、自らの労働により賃金を得て生計を立てている労働者が対象であるということでずっとやってきたわけなんですね。
 この基準というのは、要領というのは、いつ作成されたものなんでしょうか。
 
○政府参考人(太田俊明君) この基本的な考え方につきましては雇用保険法の制定以前の失業保険法の制定時から続いているものでございますけれども、この基本的な考え方につきましては、やはり先ほど来申し上げているとおり、保険料の負担者である労使の御意見が必要でございますので、労使の考え方を踏まえてこのように定めているものでございます。
 
○行田邦子君 雇用保険法以前の失業保険法制定以来ということだと昭和二十二年なわけですよね。昭和二十二年からこの文章、ずっと変わっていない、局長通達として変わっていないということなわけです。
 私は、この解釈、局長通達、要領、これがあるから、こういう解釈をしているから、雇用のセーフティーネットというものがなかなか広がらないんではないかなというふうに思っているわけです。
 昭和二十二年のころはこれでよかったのかもしれないんです、解釈としてはですね。国民生活とそんなに乖離がなかったかもしれないんです。一家の大黒柱がいて、その人は正社員で終身雇用であったという時代はこれでよかったのかもしれないんですけれども、今明らかにその当時から労働環境、様々な働き方があります、そして家族形態も様々です。こういうふうに大きく社会が変わっている中で、私は、この雇用保険の適用基準の要領、考え方というものももう一度、労使の皆様の御意見も聞きながら、もう一度きちんと厚労省として考え直さなければいけない、そういう時期に来ているんではないかというふうに思っております。
 そして、雇用保険法には、先ほど局長も少し御答弁されましたけれども、労働者としか記されていないんですね。どこにも、自らの労働により賃金を得て生計を立てている労働者を対象とするとはなっていないんです。それをこうやって解釈をして、雇用保険が適用される労働者の枠を狭めている、局長通達で行っているということは、私は非常に問題があると思っておりますので、是非ここは御検討いただきたい、この適用基準を見直すという御検討をいただきたいと思っております。
 大臣、いかがでしょうか。
 
○国務大臣(舛添要一君) 今までの副大臣とのやり取りも含めて聞いていまして、いろいろコメントをしたいこともあります。
 ただ、一言で言えば、雇用保険法のセーフティーネットで救う、その範囲をどうするかという話ですね。そのときに、例えば昨日坂本委員がおっしゃったのかな、パートの方とか昼間の学生アルバイトさんに、いや、もうみんなとにかくメンバーになっていただきたいから保険料払ってくださいと言ったら、あなた、時給八百円でやっているのにそこから百円取られたら私は嫌だよと言う人がいる、例えばこういう人に対してどうするかとか、様々な労働者の立場に立ってみればあるわけですね。
 ですから、そういうことも含めた上で、今言ったことの、要領についてはこれはきちんと労使でまず検討させていただきますということを申し上げた上で、ですから、私がいつも申し上げているのは、セーフティーネットを重層的に複数、ですから、今のような方に雇用保険というネットワークが掛からなければ、生活支援、そして今の生活支援も一定の条件を満たせば返還免除というようなこともできるので、今はそういうふうに考えていますが、いずれにしましても、問題意識は持っておりますので、これは要領についても労使を入れた審議会できちんと検討させていただきます。
 
○行田邦子君 この要領について御検討いただくということをお約束をいただきました。
 そして、私は何も週二十時間未満の労働者を絶対に雇用保険法を適用しろとか日雇の方を適用しろということを言っているわけではないんですね。今、こういう不安定な労働環境にいる方がたくさん増えていて、そういった方が現に今の完全失業者のうち二割しか雇用保険適用になっていないわけですね。こういう事態で、雇用保険をどこまで対象を広げていくのかと。私たち民主党は、三十一日以上雇用見込みのある方すべて、原則労働者すべてというふうに考えておりますし、いまだにその考えは変わっておりませんけれども、ここは今回の雇用保険法の改正では六か月未満ということで、六か月以上見込みということで私たちも合意しましたけれども、今後の課題としてしっかりと検討していきたい、いかなければいけないということを申したいと思います。
 そして、次のテーマに移りたいと思います。有期直接雇用者について伺いたいと思います。
 今、派遣労働者が非常にクローズアップをされています。確かに、今こういう厳しい景気情勢そして雇用環境の中で、まず真っ先に首を切られてしまうのが派遣労働者であるということは事実です。そしてそれが問題になっているということも事実です。ただ、こういったいろんな議論の中で、非正規雇用者イコール派遣労働者というふうに思われがちではないかなというふうに私は思っております。
 そして、今日ここで一点指摘をさせていただきたいのが、有期直接雇用、いわゆる契約社員とか期間工とかフルタイムパートと呼ばれるような方たちが当てはまると思いますけれども、こういった方たちについて幾つか質問させていただきたいと思っております。
 お手元にお配りしました資料の一枚目を御覧いただけたらと思っております。
 雇用形態別のパターンといいますか、区分けをしてみました。まず、白くなっている部分の、左の上といいますか、これが直接雇用で期間の定めのない労働者でフルタイム、これがいわゆる正規雇用、会社でいったら正社員に当たる方です。最新の労働力調査ですと三千四百万人いますと。そして、その隣にいるのが、直接雇用でフルタイムだけれども期間が限定されている有期雇用という方たちです。今日は私はこの方たちについて質問させていただきたいんですけれども、呼び方としては、契約社員とかあるいは嘱託とかフルタイムパート、製造業では期間工というような呼ばれ方をされています。こういった方がきちんとした統計データを取っていないようなんですけれども、推計で三百二十万人ぐらいいるんではないかというふうに言われております。そして、直接雇用のその下にある短時間労働者がパート、アルバイトと呼ばれる方で、直接雇用だけれども働く時間が短い方と、こういった方たちが今大体一千百五十万ぐらいいるだろうと言われています。その右っ側にあるのが今いろいろとクローズアップされている派遣労働者の方、百四十万人程度というふうに言われております。
 こういう区分けになるかと思うんですけれども、この有期直接雇用の皆さんについてなんですが、派遣労働者については労働者派遣法があります。そして短時間労働のパート、アルバイトの方についてはパートタイム労働法というものがあります。しかしながら、この有期直接雇用の方たち、こういう独自の雇用形態に着目をした法律というのが今現在ないわけですね。
 ここについてちょっとお聞きしたいんですけれども、今現在こういった雇用形態に着目した法律はありません。ただ、様々な労働法、現行法の中で有期直接雇用という独自の雇用形態について定められている条文というのが幾つか存在はすると思うんですけれども、重立ったものを教えていただければと思います。
 
○政府参考人(金子順一君) 有期労働契約につきましての法令の状況でございます。
 まず第一に、労働基準法におきまして、その第十四条におきまして契約期間の上限が定められております。原則三年を上限とするという考え方でございます。
 それから、同じ労働基準法の第十四条の中に、有期労働契約につきましては、契約更新でありますとか雇い止めの問題がいろいろトラブルの原因にもなるということで、ここに法律上の根拠を置きまして、大臣告示というガイドラインが作られております。これは有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準というものでございます。この中におきまして、契約締結時におきます明示事項でございますとか、雇い止めの予告、さらには雇い止め理由の明示、そういったことについて定めがございます。
 さらに、平成十五年の労働基準法の改正が行われました以降に、新たに労働契約法ということで御審議をいただいて新たな法律が制定をされたわけでございます。この労働契約法の中に、これはこれまでも委員会でいろいろと御指摘もいただいているところでございますけれども、有期労働契約の解除、解約などにつきまして所要の規定が置かれているという状況でございます。
 
○行田邦子君 先ほどおっしゃった雇い止め、それから解雇、それから契約期間中の打切り、これらについては、有期直接雇用だけではなくて、これは派遣労働に対しても当てはまるものだというふうに思っております。
 それで、最初におっしゃった、一回の契約を最長三年にする、大臣が認めた高度な技能を要するような特別な職業については五年にするという、一回の契約の長さについてはこれは労働基準法で規定がありますと。あと、ちょっと先ほどおっしゃっていなかったかと思うんですけれども、労働契約法の中に、極端に短い期間の契約を繰り返さないように配慮をするというような規定もあるかと思います。
 ただ、裏を返せば、言ってみれば、様々な労働法にちりばめられたものとしては、この一回の契約は最長三年と、あとは契約が細切れにならないように配慮すると、この二つぐらいしか有期直接雇用という独自の雇用形態に着目をした条文というのはないというふうに理解をしております。
 これでは、例えばいろんなケースが起きてくるおそれがあるんですね。例えばですけれども、一か月の契約を何回か繰り返すと、こういうことを全く合法的に行うことができます。そのことによって、例えば一回の契約を四回、五回繰り返すと。このことによって雇用保険除外の言い逃れもできてしまうという、そういう可能性もある。あるいは、三年間の契約を何回か繰り返すことによって十年以上勤めるということも合法的にできます。十年以上勤めれば、これは一般的には実質常用雇用と同じになるんではないかというふうにも思われます。こういった様々なケースが出てくるかと思うんですね。
 私が何を危惧しているかといいますと、今後、これからこの国会でも労働者派遣法の審議がされると思います。私ども野党でも案を今まとめているところですけれども、いずれにしても、派遣労働について規制は、どのような程度になるか分かりませんが、厳しくなると思います。そのときに、今度は有期直接雇用者というのが雇用の調整弁に取って代わるんではないかと、そういう可能性が非常に高いというふうに私は危惧をしているんです。
 ここで、有期直接雇用に対しての、こういう働き方に対しての法律のルール作りが今なされていないわけです、十分には。ここで、今後起こり得る、派遣労働が厳しくなりますと、そうすると、雇用の調整弁が簡単に有期直接雇用に行ってしまう可能性があるわけですから、一度、有期直接雇用についての法律のルール作りというのをきちんと行わなければいけないというふうに私は思っております。
 大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
 
○国務大臣(舛添要一君) ルール作り、これ、おっしゃるように、やっていかぬといかぬということでありますので、ただ、先ほどおっしゃった短期間の反復を許しちゃいけないと、こういうことはもう周知徹底、事業主に対してもやっていかないといけない。それはもう更に周知徹底の努力をしたいと思います。
 それに加えまして、労働契約法の関連規定に基づく普及は今申し上げたんですけれども、ただ、研究会を二月に学識経験者で立ち上げまして、どういうふうに例えば紛争の防止なんかについて取り組めばいいかということを検討を始めたところです。ただ、これは毎回労使の意見を聞かないといけないし、それから働いている側も、実はこういう要望があって実は有期なんだというようなこともあります。それはまさに派遣の問題もそうでありまして、今四十六万人の方々がおられて、私と違う哲学で派遣を好んでなさっている方もおられる。
 したがって、若干時間掛かるかなと、もう様々な形の有期契約の方々の議論をいただいてということでありますので。ただ、きちんと研究会を立ち上げましたので、そこの場を通じて更に今委員がおっしゃったことの問題意識を深め、具体的な施策に取りまとめをしたいと思っております。
 
○行田邦子君 私は、今以上にというか、今まで以上にこの法律のルール作りというのを急ぐべきだというふうに思っております。
 現に、トヨタグループであるとかあるいはリコーといった日本の製造業のリーディングカンパニーが既に製造現場での派遣をやめますと、そして期間社員、有期直接雇用ですね、に切り替えるということをもう表明をしています。こういった動きももう既に出てきているわけなんですね。こういった企業がどういう意図で派遣労働をやめて有期直接雇用に切り替えるのかというのは分かりませんけれども、現にこういった動きが出てきているわけですから、この有期直接雇用に対する法律のルール作りというのは急ぐべきだというふうに私は再度大臣に申し上げたいと思います。
 関連しまして、先ほどありました一回の契約最長三年という件ですけれども、これは労働基準法第十四条に書いてあります。この労働基準法第十四条は平成十五年に改正されました。それまでは一回の契約最長一年と、特別な場合は三年となっていました。それを平成十五年に三年、五年というふうに変えました。
 そのときに、調べてみますと、国会でもいろんな議論があったようです。その議論の結果、結局、附則の第三条を付けるということで落ち着いたようです。その内容というのが、法律施行後三年を経過した場合において、施行状況を見ながら検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるという附則になっています。
 三年を経過したという時点というのは平成十九年一月を指すんですけれども、二年間たっていますけれども、この間どのような検討を加えて、どのような措置を講じたのか、お聞かせいただけたらと思います。
 
○政府参考人(金子順一君) 平成十六年一月に施行されました改正労働基準法の附則におきまして、今委員から御指摘のような検討規定が設けられたわけでございます。
 その後、厚生労働省におきましては、統計調査等を実施いたしまして有期労働契約者の実態の把握を行う。それから、この間、労働契約法の検討が行われたわけでございまして、この中で有期労働契約につきましても検討がなされて、所要の法律改正に結び付いたというのは御案内のとおりかと思います。
 それから、それに併せまして、先ほど大臣告示があるということを申し上げたと思いますが、こちらの大臣告示につきましても対象範囲を拡大するという改正を行っておるところでございます。
 その余の事項につきましては、労働政策審議会からも平成十八年十二月に、更に諸状況を勘案して引き続き検討するようにという御指摘もいただいたところでございまして、まさに労働契約法が昨年施行されたと。それから、懸案でございました労働基準法も昨年成立をさせていただきました。これを一つの区切りといたしまして、余の事項につきまして検討すべく、先ほど大臣からも申し上げたように研究会を立ち上げまして、今調査検討を進めているところでございます。
 
○行田邦子君 今御答弁された中で、直接この労働基準法第十四条と関係のないことも含まれているような気はしますけれども、そうしたら、一度その有期雇用者についての調査を行ったというふうにおっしゃいましたけれども、私もそれ見させていただいて、その調査結果を見る、報告書を見る限りでは、この上限を一年から三年に変えたことでどうなったのかというような検討というか、報告書にはなっていないというふうに理解をしております。
 これは法律の附則で、きちんと検討を加え、そして措置を講じるというふうになっているわけですから、ここは、まあもう二年たってしまいましたけれども、これを機に有期直接雇用ということ、どう法律があるべきかということをきちんと研究会の意見を聴いていただきながら検討していただけたらと思います。さらには、とにかく有期直接雇用の法律作り、これ急がなければいけないと私は思っておりますので、是非早急に御検討いただけたらと思います。
 雇用主と直接、個別に契約を結ぶという労働者がこれからも増える可能性が私は高いと思っているんですね。労働契約法には「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」となっていますけれども、しかしながら、私自身も契約社員として働いた立場から考えますと、一人の雇われる立場の労働者と雇う立場の使用者がそのままでは対等にはなかなかなり得ないわけなんですね。余人に代え難い特別な才能がある、プロ野球の選手とかタレントであれば別なんですけれども、大概の労働者というのは代わりが利いてしまうものなんですね。
 私自身も契約社員であったころに、二回目か三回目かの更新のときに突然今までに盛り込まれていない条文が契約書に盛り込まれたわけです。その条文というのが、私のこれからの人生設計考えると、契約満期になった後の人生設計考えるとどうしてものめない条文だったんです。ただ、企業からすればそういう条文を入れるという理由も理解はできるんですね。そのときに、私はどうしようかと。私という一人の非正規労働で働く労働者が私を雇ってくれている立場の企業に対して交渉をすると、対等な立場で交渉をするというのはこれはなかなかできないことなんですよ。非常に悩みました。本当に本当に悩んで大変なことだったんですけれども、毎年毎年こういう契約更新の際にこういう思いをするのはもう嫌だというふうに思いました。
 一人の労働者と使用する側の企業というのは対等な立場にはそのままではなり得ないんです。だからこそ、法律によって労働者の立場、労働者の側に、げたを履かせると言ったら変ですけれども、法律によって労働者を対等な立場にさせる、労働者の保護、そういう視点で今労働法全体の内容を考え直す必要があるというふうに私は考えております。大臣はどのようにお考えでしょうか。
 
○国務大臣(舛添要一君) 今は厚生労働省ということになっていますけれども、元々労働省は何のためにできたかというと、まさに今委員がおっしゃったことの問題意識からできたわけで、私は労働行政をしっかりやらない国は近代国家ではないというふうに思っております。そして、当然、労働者は今おっしゃったように極めて弱い立場にあるわけですね、経営側に比べれば。ですから、それを法律という道具を使ってきちんと守っていく、それが日本国憲法にも合致している。なぜならば、日本国憲法はすべて国民は勤労の権利と義務を負っている、だから、憲法に淵源がある話でありますから、私も同じような認識を持っておりますんで、これから不備なところは更に良くしていきたいと思っております。
 
○行田邦子君 ありがとうございます。
 次に、時間もありませんので、次のテーマに行きたいと思います。
 今回、育児休業給付が改正の中に盛り込まれています。暫定措置であった一〇%増しというのが当分の間維持されるということです。さらには、職場復帰給付金と統合するということです。これは三年の暫定措置ではなくて、必要な限り続けていくという、一昨日も大臣から御答弁ありまして、大変心強く感じております。
 しかしながら、育児休業の取得率は九割近くというふうに上がっているというふうに聞いていますけれども、この数字というのはそもそもは、妊娠をしましたと、子供ができると分かって、それでも継続して働こうというこの高いハードルを乗り越えた人が分母となっているわけですね。なので、育児休業が九〇%になったということをもって非常に少子化対策あるいはワーク・ライフ・バランスの取組が図られているというのは、これは私はちょっと間違っているんではないかなと思います。女性の働く環境、働くお母さんの立場を守るということからすると、まずは妊娠をして出産をしても働き続ける、この継続就労をいかに高めるかということかと思っております。
 ただ、産休はこれはもう法律として定められています。育休もきちんと制度はあります。今は随分制度ができている、整えられている企業が増えています。にもかかわらず、なかなかこの産休、育休、セットで考える方が多いと思いますけれども、産休、育休の取得が進みません。これは何に問題があるかというと、やはり取りやすい職場環境をつくっていかなきゃいけないということだと思うんですね。
 この取りやすい職場環境というのをつくるためにどうしたらいいのかと私もいろいろ働く中で考えてきたんですけれども、やっぱりこれは、育休、産休を取る当事者だけではなくて、事業主にも支援をしていかなきゃいけないと、理解を深めるために支援をしていかなければいけないだろうと、事業主にインセンティブを与える制度が必要だろうというふうにずうっと考えていました。
 ところが、厚労省さんに聞いたらば、そういった制度があります。助成制度、きちんと設けています。お手元にお配りした資料二枚目、御覧いただきたいと思うんですけれども、たくさんメニューがある中で、今日は、育児休業取得者がその会社の中で初めて出たとき事業主に向けてどういう給付金がなされるかという、この三つ取り上げさせていただきました。
 一つ目は、中小企業限定ですけれども、職場で初めて育休取得者が出たときに、一人目だと今百万円と、二人目だと八十万円と、平成二十一年度からは五人目まで拡大してくださったと、こういう制度です。インセンティブですね、事業主にとって。こういう制度、大変いい制度があります。
 そして二番目は、両立支援レベルアップ助成金と。育休、産休を取るとその職場に欠員が生じます、その分、代替要員を確保しますと。そうすると、人件費が企業からすると増えるわけですね。その人件費の一部を助成しますよという助成金です。これも大変いい助成金だと私は思っております。
 三つ目、育児休業取得促進等助成金、これは何かというと、今雇用保険で育休を取った場合というのは五〇%になりますよね、給付が出ますと。更にそれに上乗せして企業が自主的にお給料の一部を何らかの形で経済的支援をする、育休取得者に対してするという場合に一部その助成を行うという、これも大変いい制度だと思っております。
 こういった制度、是非浸透させてもらいたいと、皆さんに使ってもらいたいというふうに思っているんですけれども、制度はいいんですけれども、じゃ、実際これ受けようと思ったらばどこに行けばいいのかというと、申請・受付、支給というところを見ていただきたいんですけれども、窓口がばらばらなんですね。一番の助成金は財団法人二十一世紀職業財団と、支給は都道府県労働局と、ばらばらになっています。そして、二番目の助成金は、これは支給もそれから受付も財団法人二十一世紀職業財団、そして三番目の助成金についてはこれはハローワークと、ばらばらになっているんですね。
 これ、何で一本化しないのか、できないのかなと。一本化してもらった方がよっぽど使い勝手がいいですし、大臣がよくおっしゃられている、それこそワンストップサービスになると思うんですね。なぜこの一本化ができないのかということをお聞かせいただけたらと思います。
 
○政府参考人(村木厚子君) 様々な助成金、御指摘のとおり、受付や支給の対象がばらばらということは御指摘のとおりでございます。
 基本的には、例えば両立支援レベルアップ助成金であれば、これは代替要員を確保するといった企業の中の雇用管理改善をお願いをしたいということで、そういう雇用管理改善ができる、指導ができる財団にお願いをしていく。
 それから、中小企業であれば、これはもう制度改善はなかなか中小企業は難しいので、とにかく実績さえ出れば助成金を差し上げましょうということでございますので、二十一世紀職業財団それから労働局双方で受付をして支給をしている。
 それから、休業給付の上乗せ部分、これは実際には雇用保険上の休業給付をいただくときにはハローワークの窓口を事業主の方はお使いになるので、それに合わせて助成金を差し上げるのが一番便利だろうということで、それぞれに理由はあるわけでございますが、ばらばらになっているということについての使い勝手の悪さはあるというふうに思っておりますので、関係機関でよく連携を取りながら、どこの窓口を訪ねてもきちんと最後の制度を持っているところへ行き着けるように努力をしているところでございます。
 
○行田邦子君 いろいろ御説明いただきましたけれども、私はこういった非常にいい制度がある、これを浸透させるには、やはり大臣が常日ごろからおっしゃられているワンストップ化ということを厚労省さんとしてしっかり取り組むべきだと思っております。
 そして、ちょっと今日は時間がないのでまた別の機会に質問させていただきますけれども、何でこれ窓口一本化できないかというと、私が思うには、これ見ていると、ハローワークに一本化すればいいんですね。財団法人二十一世紀職業財団かませる必要ないんじゃないかと私は思うんですけれども。
 この二十一世紀職業財団には、役員十五名中お二人の方、国家公務員のOBになっています。そして、会長は代々事務次官のOBというふうに聞いております。職員の百五十五名中三十七名が国家公務員のOBとなっております。これが私はこの窓口一本化できない理由なんじゃないかなというふうに思っております。これはまた決算委員会で、別の場でいろいろと御議論させていただきたいと思っております。
 最後になりますけれども、私自身、契約社員として働きました。その後に正社員になりました。正社員になったら、今度は非正規雇用者を雇う立場になったんですね。そのときに、私が担当しているあるプロジェクトが立ち上がったんです。どうしても新しく人が必要だと。そのときに私は上司に何を言ったかというと、人件費を切り詰めるためにはまずは派遣を雇いましょうと、そして派遣でできない仕事であれば契約社員雇いましょうと、そうすれば人件費も抑制できるし、プロジェクトが立ち消えになったときに人員の調整もしやすいでしょうと、そういう提言をしたんです。そこで私は本当に思ったんですが、このままでは合法的にこういう派遣社員とか契約社員ということを簡単に雇える、首を切れるということができてしまう、このままでは本当に雇用環境壊れてしまうということを実感をいたしました。
 今、非正規労働者という、今三人に一人と言われている方たち、どのようにセーフティーネットで救っていくのかと。本来は規制緩和をすると同時にきちんとセーフティーネットを組んでいかなければいけなかったんですが、これは本当に、まさにこれから政治の責任としてしっかりとセーフティーネットを組んでいくということが必要だと思います。
 今日は雇用保険というセーフティーネットについていろいろと質問させていただきました。今日こうやって審議をしている雇用保険の改正法、これが第一歩となって、そしていろいろ議論を重ねて本当にいい雇用のセーフティーネットをしくこと、やっていかなければいけないという思いを述べさせていただきまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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