
| 2008(平成20)年3月28日 総務委員会質問(平成20年度NHK予算案について) |
○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。 私は昨年夏に初当選をするまでは広告代理店に勤務をしておりました。民間放送局、いわゆる民放と非常に近いところで働いておりましたけれども、この民放 とNHKと予算の点で大きく違うところというのは、民放は一般企業等スポンサーから広告収入を得る、一方NHKは国民の皆様の受信料によって支えられてい る、この点かと思っております。 そこで、その受信料についてお伺いいたします。 平成二十年度予算では、受信料収入を六千三百五十億円、前年度比予算ベースで三・六%増見込まれています。一方、受信料収納の効率化ということで今年の 十月から訪問集金の廃止を予定されています。契約件数の約一三%、件数にして約四百八十万件の訪問集金を廃止してもこの受信料収入の見込みを達成できると お考えでしょうか。福地会長にお尋ねいたします 。

○参考人(福地茂雄君) まず、おかげさまで、現在までのところ、インサイダー事件によります受信料収入への顕著な影響はないものと考えております。
しかし、今回のインサイダー事件は報道機関としての根本的な姿勢を問われる問題だけに、受信料収入への影響があるかどうかを慎重に見極めていきたいと思います。
御指摘のこの二十年度の六千三百五十億円は容易に達成できる数字ではございませんけれども、良質な番組の放送でありますとか信頼回復に向けた理解促進活 動の推進、あるいは営業現場での活動強化などによりまして、明年度の受信料収入は是非とも達成したいというふうに考えております。 以上でございます。
○行田邦子君 民間の御出身である福地会長にはしっかりとかじ取りをお願いしたいと思っております。
受信料についてもう一点お伺いいたします。官公庁等の受信料契約についてです。
平成十七年度決算において、会計検査院から、官公庁等との受信料契約を促進する上で必要な官公庁のテレビ設置状況の把握が適切になされていなかった、こ ういう指摘を受けています。NHKが官公庁等から受信料を収納するには、まずそれぞれの官公庁のテレビ設置状況を把握しなければいけません。
NHKが各官公庁に立入調査をするわけにはいきませんので、お手元にお配りをしております一枚目の資料ですけれども、こういったテレビ調査票、こちらを各 官公庁にお配りをして、そして各官公庁に記入をしていただく、このテレビ調査票のデータを基にNHKは官公庁から受信料を徴収する、こういった自己申告制 度になっています。
その上でお尋ねしますが、平成十七年度について、省庁の地方支分部局、省庁の地方の出先機関ですけれども、地方放送局が担当している約四千三百か所のうち、何か所分のテレビ調査票をNHKは保管をしていましたか。
○参考人(大西典良君) お答え申し上げます。
本部と地方放送局との間の連絡が不十分で、なかったため、地方放送局分等の約千九百か所分しかテレビ設置状況調査が保管しておらず、テレビの設置状況を的確に把握しているとは言えない状況となっていたと会計検査院から指摘を受けました。
NHKでは、この指摘につきまして真摯に受け止め、それに沿った改善を行い、会計検査院で処置済事項として報告をされています。
現在は、毎年、本部と地方局の担当を明確に定め、その担当一覧を地方局に送り、それに基づいて契約の対策を現在進めているということでございます。
○行田邦子君 四千三百か所のうち千九百か所のテレビ設置状況を把握できていなかったということですけれども、千九百か所しか把握できていなかったということは、残りの二千四百か所、全体の半分以上についてはテレビの設置状況がきちんと把握できていなかった。
ということは、受信料をきちんと徴収できていなかったということかと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(大西典良君) 調査票の保管がされていなかったということでございます。
それぞれの担当の部署で各放送局が各県の調査をそれぞれ行っていたということが一番問題であったということでありまして、会計検査院の指摘を受けまして全 国を統一をした調査票あるいはその保管というものを改善をして、会計検査院の報告では処置済みという事項で改善が成っているというふうに御理解いただけた らというふうに思います。
○行田邦子君 よく分からないんですが、調査票が保管されていなかったということは、記録としてテレビの設置状況が残っていない、ということはやはり受信料をきちんと徴収できていなかったというふうに私は思えるんですけれども。 それでは、現在では先ほど改善されているとお話がありましたけれども、省庁の出先機関でのテレビ受信機の設置状況、きちんと把握できているんでしょうか、具体的に数字でお示しください。
○参考人(大西典良君) 地方の役割と本部の役割を明確にいたしました。独立行政法人、それから国立大学法人、地方団体についても会計検査院の指摘を受け て改善をしております。地方支分部局も含めて、テレビ設置状況調査につきましては、各営業現場が独自に先ほども申し上げましたように作成していたものを本 部で統一をして明確に把握できるように定めました。さらに、全国の共通の意識を持つために、本部に担当者を集めて、テレビ設置状況調査の記載あるいはその 他適切に行う周知事項を徹底をしてまいったということであります。
今後とも、本部と地方の担当区分を明確にしながら、十分こたえていきたいというふうに考えております。
○行田邦子君 もう一度お聞きしますけれども、省庁の出先機関でのテレビの設置状況、具体的に今何件把握されているんでしょうか。
○参考人(大西典良君) 中央省庁での十九年度の御申告といいますか契約は現在五千件であります。
全国の出先も含めての現在のお届けが七万件ということになっております。
○行田邦子君 それはすべて受信料を徴収できているということですよね。
○参考人(大西典良君) 受信料を徴収いたしております。
○行田邦子君 私がこのことをなぜお調べしたかといいますと、NHKのテレビ調査票に対して各官公庁が非常に非協力的である、だからNHKさんは官公庁か らの受信料の徴収に対して非常に御苦労されているだろうというふうに思いまして、今日この場をお借りしまして、各官公庁には是非NHKさんのテレビ調査票 に協力するように、そして受信料をきちんとお支払いするようにということを増田大臣を通してお願いをしようというふうに思っていたわけですけれども、どう もお話を伺っていますと、肝心のNHKさんが地方とそれから中央ときちんと連絡が取れていなくて、そしてこの受信料の徴収状況、なかなか把握できていない という状況かと思います。
これでは救いようがないのではないかと私は思っております。官公庁からの受信料の徴収について、官公庁からの受信料は免除してもいいのではないかという御 意見もあるかと思いますが、このような議論をする上でもしっかりと官公庁のテレビ設置状況、そして受信料の契約状況をこれからももっともっと把握していっ ていただきたいというふうに思っております。
今のお話をお伺いしていて、福地会長、この状況をどうお思いになっているでしょうか、そしてこれからどのようになされていくおつもりでしょうか。

○参考人(福地茂雄君) 会計検査院の検査は、御指摘は真摯に受け止めております。 以前は、本部と地方局との連携が不十分でございまして、現在はそういった体制を整えまして、今後は会計検査院の御指摘を待つまでもなく、課題があれば直ちに是正できるような不断の改善を図ってまいりたい、かように思っております。
以上でございます。
○行田邦子君 それでは、確認のためお伺いしますけれども、平成十九年度の総務省及び本省全体での受信料契約件数はそれぞれ何件でしょうか。
○参考人(大西典良君) お答え申し上げます。 中央省庁の本庁分、本省分ということでありますけれども、総務省は二百八十三件、それから本省分でありますけれども、中央省庁は五千七十三件ということであります。
○行田邦子君 これも確認のためお伺いしますけれども、これは受信料が有料となる受信機台数一〇〇%の契約と理解してよろしいでしょうか。
そして、特別割引とか官公庁特別料金といったものはなく、すべて公平公正に徴収されていますでしょうか。
○参考人(大西典良君) 中央省庁に対しましては、毎年テレビ設置状況調査を行い、その結果に基づく全数分を締結していただいており、適正であるというふうに考えております。
○行田邦子君 このテレビ設置状況の把握、そして受信料の徴収状況の把握というのはこれからもしっかりと行っていただきたいと思っております。そして、来年度からは事業所割引が導入されます。その上でもこの把握というのは大切なことかと思っております。 次に、国際放送についてお伺いします。 四月一日から外国人向けテレビ国際放送を行う子会社が新しく設立される予定です。
この新会社の準備状況をNHKさんにお伺いをしたところ、皆様に、お手元にお配りをしております二枚目の資料ですけれども、この文書、ペラ一枚をいただきまして、これ以上のことは決まっていないという御回答をいただきました。 四月一日というと、今日は三月二十八日ですので、今から四日後になります。私はこの新会社の先行きを大変心配しております。
四月一日に準備会社として設立をして、そして資本金五千万円、NHKの一〇〇%出資。その後、この秋には業務を開始、業務の開始後にはNHKの出資を一億 五千万に増資、更には民間企業から一億五千万円の出資を募る、出資者の一部からは人材の派遣も要請するということになっているようですけれども、このよう な要請というか、もうこれはお願い事だと思うんですけれども、このお願い事を快く受け入れてくれる民間会社のめどは立っているのでしょうか。 また、視聴者からは料金を取らず広告収入を得る民放のような事業形態も予定されているとお聞きしておりますけれども、NHKにとっては新しいビジネスス キームを構築しなければいけない、そのためには広告収入を得るとかスポンサーを募るとか、こういった外部の協力、外部のノウハウが不可欠かと思いますけれ ども、この新会社の準備状況についてお聞かせください。
○参考人(今井義典君) お答え申し上げます。 NHKの国際放送は、二十年度大幅な予算増額をいたしましてテレビ国際放送の体制を強化してまいります。
これに併せて、御指摘の外国人向けテレビ国際放送の子会社を設立するわけですが、四月の段階、今御審議いただいている予算の承認をいただくことができれば、四月に株式会社日本国際放送を設立いたします。
この子会社は当面は企画会社としてスタートいたします。そして、今年の秋、民間からの出資それから人材を受け入れまして、体制を強化して事業会社に移行して本格的な業務に入るわけであります。
この企画会社から事業会社に移行する間、事業化準備室を速やかに立ち上げまして、この中で具体的な事業計画、それから事業を展開していくためのスキーム、 民間放送の方々との協力体制、民間資本を頂く民間産業界とのお話、そういったことを進めながら番組の制作の体制を確保してまいる、そういう計画でおりま す。
それから、この子会社のもう一つの重要な役割は、テレビ国際放送を各国、各地域で手軽に見られるように受信環境の整備を進めることでもありまして、これはNHKの国際放送と協力して進めてまいります。
それから、番組のCMなどの受入れにつきましては、目下、民間放送の皆さん、民間企業の皆さんとともに鋭意計画につきまして検討の研究会をつくっているところであります。これから本格的に事業への参加、協力をお願いしていく手順になっております。
○行田邦子君 是非、国民の皆様の受信料が原資となっていますので、この投資が無駄な投資とならないようにしっかりと事業計画を練っていただきたいということをお願いを申し上げます。
国際放送について、もう一点お伺いします。
昨年末の法改正で命令放送は要請放送に変わりました。平成二十年度の要請書、今回も北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意することという文言が入っています。
この問題を考えるに当たって、拉致問題に関連する過去の放送実績をNHKに問い合わせをいたしました。お手元の資料の三枚目に当たりますけれども、平成 十八年の十一月に当時の菅総務大臣からNHKに対して拉致問題に特に留意するよう命令が出されましたが、その命令の前後の放送実績はというと、命令後に増 えているという見方よりも、むしろその時々で報道すべき出来事や発言があったかどうかにかかわっていると言えます。このNHKの姿勢というのは、国際放送 においても自らの放送の自由、番組編集の自由を守るということで、報道機関として正しい判断をされたと私は思っています。
増田大臣がもし本当にこの拉致問題について国際理解を得たいとお思いであれば、NHKに対するこういった要請放送という形ではなく、むしろ政府が主体と なって情報発信を積極的に海外に向けて行っていく、さらには国内外の報道機関にこの拉致問題についてもっと取り上げてもらえるような情報発信を行ってい く、そのことの方がより実効的ではないかと私は思っております。
命令放送、四月一日からは要請放送に変わります。今まではこの制度、端的に言ってしまえばNHKに国際放送の交付金を与える名目としての制度だった。と ころが、一昨年十一月の菅前大臣の行いによって、この制度が大臣自らの政治姿勢や政治理念をアピールする、何か大臣のパフォーマンスに利用されてしまっ た、そして大臣が替わり増田大臣になられても、なぜかこの菅前大臣のアピールが残ってしまっている、このように私は受け止めております。増田大臣、いかが でしょうか。
○国務大臣(増田寛也君) まず、この国際放送の関係ですけれども、特に北朝鮮の拉致に関する問題、これは国として当然諸外国に自ら発信をしていかなけれ ばいけない、これはもう当然のことであろうというふうに思います。 あわせまして、NHKにおかれましても、この国際放送の内容といいますのは、邦人の生命、身体、財産の保護に関する事項、それから当然国の重要な政策に 関する事項を放送するものでありますけれども、こうしたものは当然国として必要な放送を確保する必要がございますので、NHKの方に要請をすると。
これはNHKの判断というより、やはり国としての判断でNHKの方に要請をする事項であるというふうに考えております。
今回、拉致の内容について特に何か進展があったということではなくて、全く同じ状況が続いておりますので、前大臣は前大臣としての判断でやられたんだと 思いますが、当時は改正放送法の施行以前でございましたので命令という形でございましたが、私ども、もとよりNHKの番組編集権は、これは常に尊重しなけ ればいけないというふうに思っていますし、この場でいろいろ真摯な御審議で命令放送が要請放送という形に放送法の内容が変わりましたけれども、その趣旨も 十分に踏まえながら、今回要請をさせていただいたものでございます。
○行田邦子君 増田大臣は四方八方気を遣われて、何かと御苦労が多いかと思いますけれども、是非ともNHKの報道の自由、編集の自由にももっともっと気を遣われていただくことをお願いを申し上げたいと思います。 最後になりますけれども、今こうして審議をしている平成二十年度の収支予算、事業計画が仮に予算どおり、あるいは計画どおりに達成できなかった場合、NHKの中での最終責任はどなたが負うのでしょうか。
経営委員会でしょうか、それとも会長でしょうか。民間企業の場合は経営の最高責任者は代表取締役、多くの場合はこうなるかと思いますけれども、NHKの場合、この最終責任はどなたが負うものとお考えでしょうか。
○参考人(福地茂雄君) 予算とこの事業計画が御承認をいただきました以上は、未達の場合には、執行責任者としての私が最高責任を負うべきだと考えております。
以上でございます。


