2009(平成21)4月23日 厚生労働委員会答弁(年金記録回復促進法案について)

 

○委員長(辻泰弘君) 厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 
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○川合孝典君 趣旨はそういうことだということですけれども、結果から見ますと、必ずしもそれが有効に機能していないというふうに残念ながら言わざるを得ないというふうに思っております。
 ちなみに、提案者にもお伺いしておきたいんですけれども、提案者は、この第三者委員会の役割というものをどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
 
○委員以外の議員(行田邦子君) 第三者委員会の役割につきましては、先ほど総務省から御答弁があったとおりでありますけれども、まずその使命とするところは、国民の不安の解消を図り、年金制度に対する信頼を回復すること、これを使命としております。そして、先ほど総務省からも御答弁がありましたとおり、国民の立場に立って対応し、申立てを十分に酌み取り、収集された関連資料を検討し、記録訂正に関し公正な判断を示すこと、これが第三者委員会の役割というふうに存じております。また、総務大臣が定めているあっせんに当たっての基本方針においても、判断の基準として、申立ての内容が社会通念に照らし明らかに不合理ではなく、一応確からしいとするとされております。
 しかしながら、現状におきましては、大変残念ながら、あっせんと認められるための実際のハードルは非常に高くなっております。先ほどの御答弁にもありましたけれども、あっせん比率、今四割弱にとどまっているという状況です。申立人が理を尽くして説明をしても、関係者の証言が得られないなどの理由によって容易にあっせんが認められないという現状になっております。
 本法律案は、そうした現状を踏まえまして、第三者委員会が本来の使命を果たせるように、設置の原点に立ち返って判断を行うべきことを条文にしっかりと明記するとともに、あっせんに向けた事業主の協力が得られにくい状況を打開するための工夫などを盛り込んだものとなっております。
 
(略)
 
○川合孝典君 この一応確からしいという、これがかえって審査の基準を厳しくしてしまっているのではないかというこういう指摘、確かにあるわけでございます。
 不確実なというか明確でない情況証拠も含めて、証拠を集めることによって何とか記録を回復させようということになるわけでありますので、本当にここは一〇〇%の確証がない限り回復させないという話じゃなくて、どこで線を引くのかという、本当にもうこれさじ加減の非常に難しい問題なわけでありますので、そういう意味では、この一応確からしいというような表現が逆にブレーキに働くようなこと、本来の立法の趣旨に反してブレーキに働くようなことがあってはいけないわけでございますので、そういう意味では今の提案者の説明に関しては大変よく分かりました。
 続きまして、提案者にさらに記録の収集にかかわる問題についてお伺いしたいと思います。
 この法律案では、記録の収集について、できる限り収集させるというふうに規定されているわけですけれども、このできる限りの内容について御説明をいただきたいということと同時に、もう一点、このできる限り収集をさせるということをやる上で、第三者委員会の体制、この体制は今のままで大丈夫なんでしょうか。この二点についてお伺いしたいと思います。
 
○委員以外の議員(行田邦子君) 今回の法律案には、記録や資料の収集は第三者委員会が行うものというふうに法律に明記をいたしております。今回の改正によりまして、被保険者の負担すべき保険料を控除した事実を推測させる記録等が現状よりも収集されることとなり、今までの第三者委員会の運用よりも更に年金記録の回復が促進するものと考えております。
 第一に、今現在行われている、あっせんに当たっての基本方針を基に行われている第三者委員会の運用ですけれども、これでは現状では基本方針に明記されているようなとおりの資料の収集が行っているとは言えないような実情があります。ですから、これを解消するために、今回法律案にしっかりと第三者委員会ができる限りそして速やかに資料を収集することを明記したものであります。これによりまして、第三者委員会が行うべき資料の収集が促進されるものと考えております。
 そしてさらに、今回法律の中に、第三者委員会が収集するものとされる資料といたしまして、雇用保険又は労働者災害補償保険の加入又は給付の記録や所得税又は住民税の課税記録といったことを具体的に例示をしております。これによりまして、これまであいまいであった第三者委員会の判断基準がより明確化される、何を資料として集めなければいけないのかということがより明確化される。そのことによりまして、今現在あります地方ごとのばらつきも解消されるのではないかというふうに考えております。
 また、今回の法律案の中で、第一条の二第二項を新たに設けまして、ここで官公署が有する資料の収集について官公署が協力するものとすることを定めることによりまして、より一層資料収集の実効性が上がるものというふうに考えております。
 
○川合孝典君 体制の問題について、今の第三者委員会の体制、このままの体制で、当然、第三者委員会の負担がかなり高まることになるわけですので、その点についての実効性について確認をしておきたいと思いますので、再度お願いします。
 
○委員以外の議員(行田邦子君) 分かりました。
 今回の法律が成立することによりまして、第三者委員会がより円滑に、そして速やかに収集するべき資料を収集するために第三者委員会の今の体制を更に人員増強などする必要があるという場合には、政府におきましてしっかりと対応していただけるものと考えております。また、法案提出者であります私ども野党にとりましても、この点についてはしっかりと協力をしていきたいと考えております。
 
(略)
 
○西島英利君 という事実があるわけでございますね。ですから、本当は加入義務があるにもかかわらず加入をしていない。つまり、これは、この方々は保険料を払ってないわけですね。こういうような数があるということを前提にして今日の質問を進めさせていただきたいというふうに思います。
 まず、第三者委員会の役割についてどうお考えになっているかということでございますが、第三者委員会に申し立てられている事案というのは、社会保険庁に記録がない、そして申立人も多くの場合は保険料を納めたり控除されたことについての具体的な証拠をお持ちにならない場合がほとんどというふうに聞いております。第三者委員会というのは、その申立人の申立てを十分に酌み取り、そして様々な関連資料や周辺事情を収集して、一件一件の事案について国民の立場に立って公正な判断を示してきていただいたというふうに私自身は考えております。その結果が三十数%であったというのをどうこれを判断をするのかというのは、これはまた別の問題であろうというふうに思っております。
 これまでに約六万件の事案を処理してきたというふうに今の御報告の中でもあったところでございますが、この合議制の機関である第三者委員会の委員の方々のやはりしっかりとしたその公平な判断の積み重ねがそういうようなあっせんを生み出してきたんだろうというふうに思いますが、提案者にお聞きをいたしますけれども、そもそも現在の第三者委員会の在り方の何に問題があると考えてこの法案を起草されたのか、お教えいただきたいと思います。
 
○委員以外の議員(行田邦子君) お答え申し上げます。
 第三者委員会の役割といいますのは、先ほど委員がおっしゃられたとおりだと思いますけれども、第三者委員会は、国民の立場に立って対応し、申立てを十分に酌み取り、収集された関連資料を検討し、記録訂正に関し公正な判断を示すこととなっております。
 しかしながら、今現在、第三者委員会の運用ルールといたしましては、法律ではなく総務大臣が定めた基本方針、これにのっとって行われております。この中に判断の基準として、申立ての内容が、社会通念に照らし明らかに不合理ではなく、一応確からしいとするというふうにされております。この文言の解釈が、それぞれの各地方委員会によって、あるいは委員によってばらつきが生じてしまっているということが一点問題として認識をしております。
 ですから、私どもは、こういった各地方でのその基本方針に書かれている文言の解釈のばらつきをできる限り解消するためにも、今回のこの法改正によりまして法律にしっかりと明記をすることによって地方のばらつきをなくす、今第三者委員会が抱えている問題を少しでも解消していきたいと考えております。
 
(略)
 
○山本博司君 この不正をどうするかということと救済、本当に重い問題だと思いますけれども、今回の改正の部分といいますか、資料収集が求められているわけでございます。
 この第三者委員会に資料収集の義務を法律で課した、この趣旨に関してまずお聞かせいただきたいと思います。
 
○委員以外の議員(行田邦子君) 今回の私ども提案しております法律案では、第三者委員会があくまでも資料、記録等を収集するということを義務付けております。今現在も総務大臣が決定している基本方針の中には証拠の収集、記録の収集ということも盛り込まれていますけれども、ただ残念ながら、このとおり、基本方針に定められているとおり実行されていないという実情があります。こういった事実を踏まえまして、私どもとしましては、基本方針ではなく、より法律と、法律の中に明文化することによって厳格に第三者委員会に守っていただきたいと、こういう思いで法律に盛り込ませていただきました。
 以上です。
 
○山本博司君 これは、法律で明記したということは、法案ではできる限り収集すると、このようになっているわけでございますけれども、できる限りという範囲、これは不明確でありますし、第三者委員会はどこまでもこれは資料を収集せざるを得なくなるという、そういうことの、先ほど坂本委員からも第三者委員会の役割が何なのかということにもなるわけでございまして、そうなりますと、年金記録の回復を促進しないといけないというこういうこと自体、全体の審議が遅れるのではないかという、こういう点をどうお答えになるでしょうか。
 
○委員以外の議員(行田邦子君) 法律案に明記されていますこのできる限りという意味ですけれども、これはお言葉どおり取っていただいて結構かと思うんですが、あらゆるすべての資料を収集しなければいけないという意味ではありません。あくまでも可能な限り、できる限り第三者委員会は収集をしなければいけないということを明記しております。
 また、今、山本委員が御指摘のこと、私どもも議論の中でございました。今回できる限りというふうに明記したと同時に、このことによって、第三者委員会が資料や記録を収集をすることを義務付けることによって逆にこれが足かせになってしまう、申立てのあっせんが遅れてしまうことがあってはいけないと思いまして、この同じ第一条二項には速やかにということも併せて併記をさせていただいております。
 
(略)
 

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