2008(平成20)年4月28日 決算委員会質問(平成18年度決算の厚生労働省所管事項について)

行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。
昨日の山口二区補選では、後期高齢者医療制度、そしてガソリン税の暫定税率が大きな争点となりました。国の財政が厳しいからといって、なぜ国民にばかり 痛みを押し付けるのか、国民に負担を押し付けるんだったらもっと税金の無駄遣いを見直すべきではないか、このような国民の皆様の声が結果となって表れまし た。今、国の予算の使い方が問われているわけです。
本日は、決算ということを念頭に置きまして、医療制度、年金制度の基盤と言える労働雇用について、中でも雇用保険料が原資となっている労働保険特別会計について質問をさせていただきます。
先日、総務委員会の視察ということで京都に行ってまいりました。せっかく京都に行くのであればということで、同じ京都にある、大変失礼な言い方ですが、 かの悪名高き、私のしごと館まで足を伸ばしました。敷地面積八万三千平方メートル、建物延べ床面積三万五千平方メートル、建設費五百八十一億円も掛けたに もかかわらず、来館者数が平成十八年度で三十三万人、自己収入が一・四億円。当然赤字なので、運営交付金十四・八億円が国から出ています。
 
お手元にお配りした資料、一枚目に写真を付けさせていただきました。右上は、しごと探索ゾーンでして、これは旅行代理店事務所の体験をできるのではなく て、展示をしている風景です。右下は、働く人の歴史を人形で表しているもので、一体三百万円もするということで話題になったものです。そして、左上は体験 ホワイエですが、私が行ったときは添乗員さんが一人、休憩を取っていました。そして、唯一活気があったのが、学生たちが楽しそうに作業している左下のしご と体験ゾーンです。この写真は、清水焼のお茶わんを学生が作っているところです。
こういったいろいろな職業、特に伝統工芸など、実際に労働を体験できるということは、教育として非常に良いことですし、大切なことだろうと思います。子 供たちも楽しそうでした。けれども、何でこんなに立派な建物の中で、実際の労働現場とは余りにも懸け離れた空間で行わなければいけないのか。意味はなくは ないですが、余りにも費用が掛かり過ぎているとつくづく疑問を感じました。
私は、子供たちに対する職業教育は必要だと思いますが、手法が間違っている。なぜ広大な土地を買って立派な建物を建てて、だだっ広い空間をつくらなければいけないのか、五百八十一億円も掛けるそのコスト意識には理解がし難いものがあります。
この建設費は、能力開発事業という名目で労働保険特別会計から支出をされています。このザ・ハコモノと呼ぶべき私のしごと館の存廃について検討されているようですが、大臣、見直しをすることとなった経緯と進捗状況をお聞かせください。

国務大臣(舛添要一君) 私のしごと館、これいろいろ今賜った御批判もありますんで、後ほど詳細は局長に答え させますけれども、今、きちんと私の下に検討委員会、いろんな専門の方、特に私のしごと館はけしからぬという御意見の急先鋒な方も入れまして、後で委員名 簿を御覧になればすぐ分かりますけど、そういう方からも厳しい意見を賜っているところでございまして、ちょっと細かい経緯については局長の方に答えさせま す。

政府参考人(新島良夫君) 私のしごと館につきましては、御案内のように、中高生を中心とします職業意識の形 成の施設ということで運営しているわけでございますが、御案内のように、これも昨年の十二月に、いろいろ経緯がございまして、独立行政法人の整理合理化計 画におきまして、運営を包括的に民間に委託をして第三者委員会による外部評価を実施をして、その結果を踏まえて一年以内に存廃を含めその在り方について検 討を行うということにされているわけでございます。
これを受けまして、現在、厚生労働省におきまして私のしごと館のあり方検討会を設置をいたしまして、既に三回議論をいただいております。主な議論を申し上 げますと、やはりキャリア教育としてのこういった職業体験というのは非常に重要だという意見がある一方で、なかなか収支とコストという部分がいろいろ問題 があるんではないかという御指摘もございます。
いずれにしましても、キャリア教育、職場体験そのものにつきましては相当高い評価を得ているというふうに思っておるところでございますが、この検討会の議 論を踏まえて、今後は実際に委託ということでございますが、現在委託の手続を進めているわけでございまして、いずれにしましても、今後このしごと館の在り 方そのものにつきましては、閣議決定で示されておりますように、包括的民間委託、それから外部評価の結果を踏まえて検討を行うということになっております ので、検討会において十分御議論をいただくという予定でございます。

行田邦子君  私も職業教育というのは必要だと思いますけれども、どんなに必要な施策であっても事業であっても、コスト意識を持って行わなければこれは結局無駄遣いに なってしまうと思うんですね。ここまでお金を掛けて豪勢なものを建ててしまうと、民間の委託というのもなかなか私は難しいのではないかなと、引き受けてく れる民間もなかなかないのではないかなというふうに心配をしております。
似たような例についてもう一つ、アビリティガーデンというのがあります。ホワイトカラーの職業能力の向上を目的に、東京の錦糸町の一等地に平成九年に開設されました。建設費は百九十億円です。これも労働保険特別会計からの支出です。
こちらも視察に伺わせていただきましたが、おかしいと思ったのは、ホワイトカラーを対象としている施設なのに土日が休みなんですね。ただ、中身は細かく見 ていませんが、能力開発、職業訓練、そしてカウンセリング、行われていることは必要なことだとは思います。かつては企業内で行われていた研修が経費削減で なかなかできなくなっている、そんな中、このような事業には意味があるとは思います。けれども、これもやはり私のしごと館と同じことなんですけれども、費 用対効果としてどうなのか、なぜ何かを始めようとするときにいつも、まず土地を買って立派な建物を建てるところからスタートするのか、理解し難いものがあ ります。
私のしごと館、アビリティガーデン、こういった箱物という目に見える過剰な支出について質問をさせていただきましたが、次は一般の国民の目にはなかなか見えない支出について御質問をいたします。
お手元の資料の二を御覧ください。労働保険特別会計からのタクシー代支出について厚労省さんにお調べいただきました。労働保険特別会計から、平成十八年度 は二十三億六千万円、十九年度は十六億四千万円、タクシー代が支出されています。十九年度のタクシー使用回数上位二十人を見ますと、一番多い方は年間の百 八十二回となっています。三番目の方は百五十一回で、金額は二百五十三万八千三百四十円という多額になっています。
額や回数にも驚きましたけれども、私が疑問を感じるのは、一番右の欄を見ていただきたいんですけれども、人件費は一般会計から出ているにもかかわらず、タ クシー代は特別会計から支出されている方が二十人中七人いるんです。一般会計の仕事をしているから人件費は一般会計から出ているんだと思いますが、タク シー代だけは特別会計、これはおかしいと思うんですね。夜だけ特別会計の仕事をしてタクシーで帰るんでしょうか。先日、大久保議員が命名した、昼は一般会 計、夜は特別会計、カメレオン職員が国交省だけでなく厚労省にもいるんでしょうか。どういうことでしょうか、御説明をお願いします。

政府参考人(新島良夫君) タクシーチケットの関係でございますけれども、労働保険の事業に要する費用、これにつきましては事務執行に要する経費ということが含まれるわけでございまして、労働保険料を充てているわけでございます。
労働関係の部局の業務につきましては、労働保険の関係業務とそれ以外の業務が混在をしているというのが実態でございまして、職員につきましては主として労 働保険にかかわる者については特別会計職員という仕分でございますし、それ以外の者については一般会計職員という整理でございます。
したがいまして、一般会計職員であっても労働保険関係業務に携わっている方もいるということでございまして、一般会計職員であっても労働保険の事業に携 わった者につきましては、特別会計の方からタクシーの代金を支出するということについては特段問題はないというふうに考えております。

行田邦子君 済みません。先ほど私が申し上げた金額、訂正をさせていただきます。タクシー代の支出ですけれども、平成十八年度は二億三千六百万円、そして十九年度は一億六千三百万円、一億六千四百万円と、一けた間違えていました。失礼いたしました。
一般会計から人件費が出ている人でも特別会計の仕事をしている場合がある、その人が特別会計の仕事をして深夜残業になった場合は特別会計から支出をすると いうことであれば、例えば一番目の方、この方、百八十二回タクシー使用していますけれども、この人は四日に三日は特別会計の仕事をしているということにな ります。だったら、この人は特別会計の仕事の方が多いわけですから、人件費も特別会計から出すべきではないでしょうか。
また、八番目と十四番目の方ですけれども、政策統括官付労政担当参事官室勤務というふうになっていますけれども、この方たちは、それぞれ百三回、それから 九十回、年間に特別会計からタクシー代を出しています。この方たちも特別会計の仕事で年間に百三回、九十回も深夜残業をしているのでしょうか。
これは事前通告させていただいてないんですけれども、もしお答えいただければと思うんですが、これら上位二十人の方のタクシー代は一般会計からも支出をされているのでしょうか。

政府参考人(新島良夫君) この資料にございます二十名の方につきましては、特別会計の方で支出をしているところでございます。

行田邦子君 一般会計から一切タクシー代を支出をしていないということでよろしいでしょうか。

政府参考人(新島良夫君) 先ほど申し上げましたが、労働保険関係業務に全く携わらない職員につきましては特 別会計から当然支出はしていないわけでございますが、労働保険関係業務を一部行っている職員については一般会計から支出することもあり得るということで、 全体といたしましては、労働関係部局支出全体として適正に執行をしているというように考えております。

行田邦子君 済みません。これ事前通告をしてなかったので、お答えできないのかとは思うんですけれども、是非お調べいただいて、委員会あてに御報告をいただきますよう、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

委員長(小川敏夫君) 一般会計からの支出状況ということですか。

行田邦子君 はい、そうです。

委員長(小川敏夫君) では、ただいまの申出につきましては、後刻理事会で協議します。これは自主的に出せますか。

政府参考人(新島良夫君) それは整理させていただきます。

委員長(小川敏夫君) 整理、あっ、精査。はい。

行田邦子君 先ほど御質問をした私のしごと館、そしてアビリティガーデンの費用は、労働保険特別会計の中の雇用安定等二事業予算から支出されています。
ここでお伺いしますが、二事業の趣旨、目的をお教えください。

国務大臣(舛添要一君) この雇用保険の三事業につきましては、昨年の雇用保険法改正におきまして、失業等給 付の抑制に資するという事業本来の目的に特化するために雇用福祉事業を廃止すると。さらに、事業の必要性や成果の評価などを厳格に精査して既存事業の縮減 などの見直しを行っているところでございます。
こうした見直し、さらに景気・雇用情勢の回復なども相まちまして、最近は雇用安定資金の残高が増大をしているところでありまして、先ほど来、特別会計と一 般会計、こういうことの問題点ずっと御指摘なさっておりますけれども、雇用保険の二事業のこの保険につきましては弾力的に保険料の引下げを行うと。保険率 を千分の三・五から千分の三に引き下げましたし、これ下げたらまたすぐ戻すようになっているんですけれども、下げてよかったら、安くてよければ低くていい んで、それもそのままやるというような形で、もうこれもきちんと今後とも見直していってめり張りの利いた形でこの雇用対策についても施策を不断に見直す と。そして、ただ見直すだけじゃなくて、やはり雇用の問題というのは、私は非常に今フリーターの問題や何かと重要な問題が起こってきていますので、これは 必要な充実はしないといけないと。そういうことで無駄を排して必要な施策をやると、そういうことで一歩一歩取り組んでいるところでございます。

行田邦子君 今大臣からもお話がありましたけれども、この二事業、かつては三事業でしたけれども、この二事業について考えるに当たって収支状況の変遷を見てみました。お手元の資料三枚目を御覧ください。
平成十一年度以降、大体収入の方は五千億円台前半で推移しています。一方、支出の方はというと、平成十一年度は五千四百億円、過去十年間で最も多い平成十 二年度では六千億円というふうになっていますが、無駄遣いが指摘されたことが理由かと思いますけれども、支出は徐々に減らされています。平成十八年度には 三千五百八十億円になっています。一方、安定資金残高ですが、これは単純に収入引く支出だけではなくて、雇用保険勘定全体での不用金、使わなかった余った お金の一部をこのお財布にも入れています。この表を見ると、平成十三年度を底に年々残高が増えているのが分かります。平成二十年度では安定資金残高は一兆 一千七百億円にも上る予算となっています。この残高は私は過剰なように感じます。
ここで私が何を申し上げたいかといいますと、二事業の安定資金残高に過剰な残高が残っているのであれば、これは一つ、先ほども大臣がおっしゃられましたよ うに保険料率を下げること、そしてもう一つの考え方はこの残高を今まさに求められている雇用の安定、雇用の創出に使用する、この二つの考え方があるのでは ないかと思います。ここはしっかりと議論をすべき点かと思いますけれども、私は二つの考え方の後者、今こそ雇用の安定、雇用の創出に対して投資する必要が あるというふうに思っております。
私のしごと館やアビリティガーデン、そして過去のレクリエーション施設、一億円以上も掛けたものを一万五百円で売却してしまった、こういったこともありま したけれども、こういった過剰支出の箱物を嫌というほど見せられてしまうと国民の皆様も、雇用保険を払っている事業主の皆様も、もう無駄遣いやめてほしい という気持ちになってしまいますけれども、この雇用安定等二事業の本来の趣旨に沿った適正な使い方をきっちりとお示しすれば国民の皆様も御納得いただける のではないかと、むしろ御納得いただけるような努力を厚労省としてすべきではないかというふうに私は考えておりますけれども、大臣のお考えをお聞かせくだ さい。

国務大臣(舛添要一君)  委員の御指摘のとおりで、最初は保険料を下げる方向に少しやったと、それでただ、今、雇用の問題、私も先般メーデーに参加させていただきました。フリー ターの常用化プラン、いろんなことをやっています。特に女性に対して、これはワーク・ライフ・バランスを含めて家庭も仕事も両立できるためにはどうすれば いいか、それから高齢者も働ける力を持っている方おられますから。先般、一月十九日に労働政策審議会の一つの部会から雇用保険制度の見直しについてという のをいただきました。そこにも、今、私が申したフリーターとか女性とか高齢者、こういう方々に対して今委員おっしゃったように、ただ箱物を造るということ ではなくて、むしろきめの細かい、例えばジョブ・カード制もそうですけれども、やりなさいということなので、今その方向に進めております。
ただ一つ、先ほどのしごと館も含めて、非常に雇用労働政策で難しいのは、どこまで官がやるのか。それは何もかも民間でやれるならいいんですけれども、私は やっぱりペイしなくても、例えば職業訓練なんかは政府がやるべきものは残っているんだろうというように思いますんで、何でもかんでも箱物を造るというのは 論外ですけれども、そういう民ではできない、やっぱり官がやる。例えば、ハローワークというのは民でいいんでしょうかという疑問符は、それは有料職業紹介 所、しかし、やっぱりハローワークというのは、私は全国レベルでやるべきだし、ILOの考え方もありますんで、私なんかはそういうのを何もかも市場経済原 則で、民でいいとは思っていません。しかし、官でやるについてはきちっと襟を正して無駄を排すると、それがなければ国民の理解も得れないと思いますんで、 そういうめり張りを利かせながら、必要なところはきちんと残していくという方向で、今委員がおっしゃった方向で進めてまいりたいと思っております。

行田邦子君 恐らく大臣と私も同じ思いだというふうに考えましたけれども、すべてのことが民に任せていいとい うことではないと思います。民ができるものは民がやる、民ができないことはやはり官がやらなければいけないというふうに私も思っております。ただ、そのと きにコスト意識というものを十分に持っていただきたい、そして国民の目線できちんと考えていただきたい、このことを申し上げておきます。
お手元の資料四に現在の労働者の置かれている状況をまとめてみました。今、働く人の三人に一人が非正規雇用者となっています。
私自身も会社員として十八年間働く中で、二回の転職をして、都合三社で勤めました。三社目の会社では非正規雇用者として働いた経験があります。それまでの 約九年間は正社員でした。大学を卒業して一社目に就職した当時は、自分がまさか非正規雇用者になるとは思ってもいませんでした。
特に非正規雇用者の中には女性が多いんです。そして、第一子を出産して働く女性の六割もの人が、職場に復帰せず労働市場から姿を消しています。子供が大き くなって働けるようになっても、職場が見付からない、労働市場になかなか戻れない、戻ったとしてもパート、アルバイトといった非正規雇用の場合が大変多 い。
そして、年収二百万円以下の労働者はついに一千万人を超えてしまいました。ニートの数も増えています。フリーターの数も依然多いです。特に年齢が上がって きています。就職氷河期に学校を卒業した方々が定職に就けないまま、行き場を失ったままなんです。これは本当に深刻な問題なんです。彼らがこのまま、もし 定職を見付けないまま年を取ったとき、両親が、経済的に支えてくれていた親がいなくなり、そしてこのままだと生活保護者になる可能性もあるんです。
生活保護世帯は、ついに百万世帯を超えました。生活保護世帯の中には、働くことが可能な人、働く意思がある人ももちろんいるんです。働くことが可能な人、 働く意思のある人がきちんと、安定した職場、安定した収入を得られるように、今こそ政治が積極的に手を差し伸べなければいけないと思います。
今、医療制度、年金制度の問題点が様々指摘されていますけれども、これらの医療制度や年金制度を支える働く人たち、現役世代が今このような環境に置かれていては、どんな医療制度も、どんな年金制度も成り立たない。
舛添大臣にお伺いしますが、年金、医療、そして労働について担当されているお立場として、どのようにお考えでしょうか。

国務大臣(舛添要一君) 先般、新雇用戦略というのを作りまして、まあ二百二十万人という数字を挙げましたけ れども、今おっしゃったように、フリーター、女性、高齢者、こういう方々、それで、フリーターにも年長フリーターっております。きちんとこのきめの細かい 施策をやっていきたいというふうに思っています。
どこかの世論調査にありましたけれども、やっぱり常用雇用というのがそれは普通だし、今、年功序列賃金を求めるとか、ずっと同じ会社にいたいという声が高 まっています。一時期は、バブルのころなんかはもう働き方の多様化とか雇用の流動化ということで、そうじゃない方向がもてはやされましたけれども、私は やっぱり今の国民のニーズは生活の安定だということにあると思います。そしてまた、これは年金の記録問題、今一生懸命やっておりますので、これは頑張って 続けていきたいと思いますし、長期的にどういう年金制度であればいいか、これはもう与野党の枠を超えて国民的な議論が必要だと思います。
医療につきましては、私は思い切った施策をやりたいと。つまり、今まで政府はお医者は足りているという話をしていたけれども、今二十八万のニーズに対して 二十六万しかいない、二万人足りないんですね。足りないなら足りていないという事実を認めて、今年は三百九十五人増やしました。しかし、やっぱり小児科、 産婦人科を含めて足りないんですよ。だから、これを増やしていく。それから、看護師さん、助産師さん、薬剤師さん、そういう方もお医者さんとチームを組ん で、お医者さんが忙し過ぎる、だからこの部分看護師さんがやれるということであればそこもやっていける。
そういうことを含めて、近々、私の下の研究会、いろんなビジョンがまとまりますので、それに数値目標を付けて、これを国民の皆さん方に御提案申し上げたいと思っております。

  1. 行田邦子君 是非、有言実行ということでお願いをしたいというふうに思います。

 舛添大臣が、先般、経済財政諮問会議に提出された新雇用戦略、私も拝見いたしました。これ是非実現していただきたいというふうに思っているのです が、思いは同じだろうというふうに思うんですが、やはり国民目線でそしてコスト意識を持って行わなければどのような施策というのも実現できないというふう に思っております。
そして、今現在、この二事業から支出されている、雇用安定事業、能力開発事業の中身を見てみました。厚労省さんから説明を受けたのですが、事業主向けの助 成金、奨励金だけを見ても実にありとあらゆる種類があります。ここで、私が抱いた三つの疑問についてお伺いしたいと思います。
一つ目は、助成金の数の多さです。
事業主向けのパンフレットをいただいたのですが、これを見ると二十五種類の助成金、奨励金があります。更に枝分かれしていて、私が数えた限りでは五十六種 類に分かれているようなんですね。多過ぎてよく分からないんです。事業主向けにこれだけ細かく分かれていては、使い勝手が悪過ぎるのではないかというふう に思います。
社会保険労務士さんに話を聞いてみたんですけれども、この雇用関係の助成金というのはすごく複雑で手間が掛かるんで、できれば、本音を言えば、社労士さん としても避けたい、依頼が来ても避けたい仕事というような声も聞こえてきます。もしこの仕事を受けるのであれば、手間が掛かるので手数料を高く取らざるを 得ないという声も聞こえてきます。これでは本末転倒ではないかなというふうに思います。もっと助成金の数とそして手続を整理できないものでしょうか。
二つ目の疑問は、地方自治体独自の支援事業との重複です。
例えば、中小企業事業主対象にキャリア形成促進助成金というものがありますが、職業に必要な知識、技能習得の職業訓練の経費の一部を助成する制度ですが、 これと同じような、全く同じとは言い切れないんですけれども、補助金制度が例えば私の住む埼玉県にもあります。ほかにも重複があるのではないかと思ってお ります。地方自治体と重複が多いものは整理する又は自治体にお任せするといった見直しの必要があるのではないでしょうか。
そして、三つ目の疑問は、私が何だこれはと一番驚いたことなんですけれども、助成金によって取扱機関が異なるんです。二十五種類の助成金、奨励金の内容や 被雇用者の種類によって取扱窓口が全部分かれているんですね。一つ目の窓口は都道府県労働局ハローワーク、二つ目の窓口は独立法人高齢・障害者雇用支援機 構、三つ目の窓口は独立法人雇用・能力開発機構、四つ目の窓口は財団法人介護労働安定センター、五つ目の窓口は財団法人二十一世紀職業財団と、五つに分か れているんです。このうち、ハローワークは全国数百か所に事業所があります。そして、残りの独立法人、財団法人は全国四十七か所地方事務所を設置している んです。それぞれに四十七か所地方事務所を設置しています。完全な一本化は無理にしても、何とかまとめられないんでしょうか。全国に事業所を多く持ってい るハローワークに一本化するか、あるいは全国の市町村に窓口をお願いする、この方がよっぽど利用者にとっては便利だと思います。何か分けなければいけない 事情があるのでしょうか。
今申し上げた三つの疑問について、大臣のお考えをお聞かせ願います。

国務大臣(舛添要一君) まず、簡素さという要請ときめの細かさという要請がしばしば両立しない。ですから、 本当に中小企業、零細企業でこういうのを欲しいというのをもうニーズが山ほどあります。そうすると、別の方の意見は、たった二十五なんですかと、もっと、 二十五だから私のが一般的にはまらないと。もうちょっときめ細かく、例えば鋳物工業をやっている方、この方に対してはこういうのがいいんだということもあ るんですね。ですから、その数については今両方の意見があると。ただ、手続を簡素化するとか、窓口を便利に、良くすると、これはやれるべきところはやって いいと思います。
それから、助成金なんかの地方自治体の関係なんですけど、これは実は私はもっと大きな観点から、国と都道府県と市町村の役割分担をどうするか、まあ道州制 の議論なんかもありますけれども、そういうことをきちんと議論すべきで、まさに後期高齢者の話にしても、名古屋とかああいうところでは地方自治体が独自に 助成金渡していたわけですね。今度、都道府県単位になったら、名古屋市だけ愛知県の中で突出させられないって、それを落としちゃう。そうすると、名古屋に おった方々は補助金の分まで、市からの補助金の分まで考えたら当然高くなります。だから、そのときに、きめの細かい福祉の作業というのは、私はやっぱり市 町村、これが一番いいんだろうと思います。ただ、今度は、後期高齢者について言うと、都道府県にしちゃったものですから、そのきめの細かさがなくなってく る。じゃ、国がどうするか。
それで、これまた国民目線から立ったときに、整理しなさいといっても、私は、埼玉県のやつの方が使い勝手がある、国のやつも使い勝手がある。だから、さい たま市だったら、これはさいたま市の中小企業にやっぱり特例を与えると思うんです、それぞれの都道府県や市町村は。そうすると、よその人よりもやっぱりさ いたまで仕事をしているからさいたま市のお金が来るというようなことがあって、これも実はいいんですね。
きめの細かい、本当に地元の住民や地元の企業のためにしっかりやっていただきたいというのは、それは地元で法人住民税も払われている、いろんな税金が払わ れている。やっぱりそれは地元が還元すべきだという立場で市町村、都道府県が行う。我々国はやっぱり一視同仁というか、だから、そこが本当にこれは国民の 側から、企業の方からも二通り意見があるわけなんで、それをどう調和するか。
そして、これは最終的には国と地方との役割分担という大きな話にもなると思いますけれども、手続の簡素化という、これはやるべきだというふうに思っております。

行田邦子君  いろんな御意見あるのかとは思いますけれども、私は、やはり国の事業としては余りにも数が多過ぎて、助成金の数が多過ぎて、使い勝手が悪過ぎる。社労士さ んもこのことを指摘しておりますし、やはりこれは一度整理するというか、一度助成金の棚卸しというのをするべきではないかというふうに思っております。
少なくとも、今五つに分かれている独立法人等、五つに分かれている窓口の一本化というのはこれは是非検討していただきたいと、ユーザーの視点に立って検討していただきたいというふうに思っております。
この重複について、窓口が幾つも分かれているという点について具体的に申し上げますと、仕事と育児の両立支援のための助成金として、ベビーシッター費用等 補助コースというのがあります。これは二十一世紀職業財団というところが窓口になっています。一方、似たようなものがありまして、別の財団法人こども未来 財団と社団法人全国ベビーシッター協会が提携して、ベビーシッター費用の割引券交付事業を行っています。割引券と補助金という違いはありますけれども、ど ちらもベビーシッター費用の割引という意味ではほとんど同じサービスですね。
そしてまた、育児休暇取得者についても支援が幾つか分かれていて、育休、時短利用者が初めて事業所に出た場合の助成金や、託児所を設けた場合の助成金、それからベビーシッター費用の補助金、これは財団法人二十一世紀職業財団が窓口です。
ところが、育休取得者の代替要員確保の助成金は、これは都道府県労働局かハローワークが窓口になります。利用者の視点で全く考えていないと私は思うんですね。
今申し上げた窓口取扱機関となっている財団法人二十一世紀職業財団についてですけれども、民主党の衆議院が行った予備的調査で明らかになったことですが、 平成十八年度には役職員が百六十九人いましたが、そのうち五十五人は厚労省職員を含む国家公務員のOBです。国から補助金が六十二億円出ています。
そして、財団法人こども未来財団の役職員数、こちらは三十六人ですけれども、そのうち十六人が役員に相当する方です。随分と役員の比率が高くなっている法 人です。六人の常勤役員のうち半分の三人は国家公務員のOBです。国からの補助金は、ここには十一億二千万円出ています。
そして、社団法人全国ベビーシッター協会、こちらの役職員数は十八人、そのうち十一人が役員に相当する方です。こちらも役員の比率が高い法人となっていま す。こちらには四人の厚労省OBが再就職しています。そして、厚労省から六百万円の特命随意契約の発注も受けています。どうもほかにも随意契約がある可能 性もあります。
そして、独立行政法人雇用・能力開発機構、こちらは横綱格なんですけれども、理事が八人いまして、そのうち三人が厚労省のOBです。理事の平均報酬は一年 間で一千六百万円を超えています。理事長は二千万円です。この独立法人には、運営交付金と補助金合わせて一千百七十五億円が国から支出されています。こち らは平成十九年度の実績です。
小さな政府、小さな政府ということで政府を小さくしたつもりが、政府の外に前より大きい独立法人や公益法人をつくってしまった、こういうことでしょうか。 厚労省OBの安定雇用、安定収入の確保だけではなくて、国民の皆さんの安定雇用にもっと向き合っていただきたい、真剣に目を向けていただきたいというふう に思っております。
雇用の安定、雇用の創出を考えるときに、法律の改正も視野に入れなければいけないでしょうし、税制改正も必要かもしれません。もちろん、働く方々に対する 支援も必要です。複合的に対応しなければいけない問題ですけれども、今日は時間が限られていますので、労働保険特別会計からの事業主向けの助成金や奨励金 に絞って質問させていただきました。
最後の質問となりましたが、ここで視点を変えまして、公務員の早期勧奨退職についてお伺いします。
今私が申し上げた所管公益法人との随意契約、これが一向に減らないという問題、そして天下りも減らない、この問題。随意契約、それから天下り、この問題というのはすべて早期勧奨退職につながっているというふうに思うんですね。
なぜ所管公益法人からの随意契約が減らないのか、これは厚労省さんも一向に減っていないようです。十七年度から十八年度に逆に随意契約の金額は増えてし まっています。なぜ減らないのか。天下りもなぜ減らないのか。それは所管の公益法人に天下りがいるから、だから常に一定の発注をしなければいけない。そし て、なぜ天下りが減らないのかというと、それは国家公務員の早期勧奨退職という慣行があるから、横たわっているからというふうに私は考えています。天下り を減らすためにはこの早期勧奨退職という慣行をなくさなければいけない、ここにメスを入れなければ一向に公務員制度改革というのはできないというふうに私 は考えております。
そこで、所管の総務省、そして労働を担当されている舛添大臣、お二人に御所見を伺いたいと思います。

委員長(小川敏夫君) 答弁は簡潔にお願いします。

政府参考人(藤井昭夫君) まず、私の方から政府全体としての早期勧奨退職是正についての取組状況について御説明いたします。
政府はこの問題につきましては平成十四年に閣僚懇談会の申合せを行っております。その趣旨は、天下りの弊害を是正し、公務員が志を持って行政に専念できる 環境を整備するため、また公務員制度改革の観点も踏まえるということで、早期退職慣行の是正を図る旨の方針を取りまとめているところでございます。
その内容でございますが、原則として当時の現状に比べて平均の勧奨退職年齢を平成二十年度には三歳以上高くするということを目標に、各省がいろいろの実情 はあるようでございますが、その実情に合わせながら勧奨退職年齢を段階的、計画的に引き上げるというものでございます。この申合せに沿った各省の取組によ り、勧奨退職年齢は、政府全体といたしましては、平成十四年の平均のときに比べて、平成十九年では一・四歳上昇しているというところでございます。
まだまだというふうに我々は認識しておるところでございますが、このようなことを踏まえまして、当局といたしましては、各府省に対しまして、残された期間 において、例えば昇進年次を延伸するとか、あるいは、本年四月に専門スタッフ職制度というのが導入されているんですが、これは複線型人事を構成するための ものでございますが、そういった制度の活用をすることによって一層の早期勧奨退職の是正を要請しているところでございます。

委員長(小川敏夫君) 舛添大臣、答弁は簡略にお願いします。

国務大臣(舛添要一君) はい。公務員制度全体の改革の中で政府としてそれをやっていく、それから、公益法人 の改革につきましても、これはもうやむを得ない理由がない限りは一般競札で、随意でやらないということを原則としてやっておりますし、再就職につきまして も、公務員の再就職につきましても、国民から疑義を抱かれるようなことはやっちゃならない、そういうことを原則としてきちんと指導してまいっているところ でございます。

行田邦子君 終わります。

 


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