2008(平成20)年5月26日 決算委員会質問(総括)

   


行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。
この通常国会では、道路特定財源からの不適切な支出を始めとする税金の無駄遣いが次々と明らかになりました。
このままでは国民の皆様の政治・行政不信が慢性化してしまうことを私は懸念をしております。先般、「ムダ・ゼロへの取組み」という書面を官房長官が発表されましたが、政府における無駄をなくすために今何をなすべきかという視点で今日は質問をさせていただきます。
まずは国土交通省にお伺いします。四月二十一日の当委員会で私が質問させていただきましたけれども、PMツールについて伺いたいと思います。
PMツール、プロジェクトマネジメントツールの略ですけれども、国交省本省の研究機関である国土技術政策総合研究所が現在開発している公共事業の業務管理システムです。
このシステムの開発には大変長い歴史がありまして、平成十年ごろに検討が始まり、三年間の検討期間を経て平成十三年にシステム開発に着手いたしました。先 ほど、現在開発しているという言い方をいたしましたけれども、検討が始まってから十年たった現在もなお開発中でして、いまだ全国稼働を果たしていないばか りか、全国稼働のめどすら立っていません。
PMツール開発に関する業務委託、支出の経過をお手元にお配りしております。資料の一枚目です。
平成十五年度から業務委託を受けている財団法人先端建設技術センターには、平成二十年三月現在で、国交省OBが常勤理事として三名、そして非常勤理事と して四名在籍しています。平成十八年度決算では四億四千五百万円もの内部留保がされています。そして、この業務は、御多分に漏れず、随意契約で委託をされ ています。これまでにこの業務に掛けた金額は、平成十四年度から十九年度までで一億七千万円、平成十三年度については文書が残っていないということで分か らないのですが、当時の成果物の内容を見ても、開発初年度ということで、恐らく一番費用が掛かっていると推察します。
当初の予定ではいつ全国稼働する予定であったのか、また、これだけ費用と年月を掛けてもまだ全国稼働されない理由をお聞かせいただけますでしょうか。
政府参考人(佐藤直良君) お答え申し上げます。
PMツールでございますが、これは複数年度にわたる公共事業のプロジェクト、この工程あるいは事業費管理の支援システムでございます。先生御指摘のとお り、平成十年ごろからその有効性を確認して、十三年度以降、業務を実施してまいりました。当初は平成十六年度ごろを目途にその普及を図るということでやっ てまいりましたが、試行事務所で実際このPMツールを試行して様々な課題が出てきて、現在、今まで六事務所の試行にとどまっております。今後は、この試行 の範囲を早急に広げつつ、課題の整理を行い普及に努めてまいりたいと、かように考えております。
行田邦子君  仕事は、システム開発に限らないとは思うんですけれども、時間を掛ければ掛けるほど費用も掛かってしまう、こういうものだと思うんですね。特にシステム開 発の場合は、きちんと期限を決めて導入日を決めないと、どんどんどんどんお金が掛かってしまう、そういうものだと思います。
システム開発にこれだけの年月を掛けるというのは常識的には考えられないんではないかと思います。開発に着手してから今年度で八年目になります。桃栗三 年柿八年という言葉がありますけれども、一体PMツールの果実はいつになったら実るのでしょうか。いいものができるまでなんて言っていたら、幾らでも時間 もお金も掛かるのは当たり前なんです。これまでに掛けた金額、分かっているだけでも一億七千万円という費用は、これ全部国民の皆様が納めた税金なんです。
冬柴大臣にお伺いします。このPMツールの開発について、見切りを付けないと大変問題だと思うんです。ツールの内容をお聞きしている限りでは、業務の効 率化や事業コストの軽減に役立つものと私は思っているんですけれども、これだけ費用を掛けたのですから、真剣に全国稼働すること、あるいは導入事務所の拡 大を検討してみてはいかがでしょうか。そうしないと、これまでに掛けた少なくとも一億七千万円という税金がどぶに捨てられることになってしまいます。いか がでしょうか。
国務大臣(冬柴鐵三君) 御指摘のように、随分長い時間と費用が掛かっているようです。したがいまして、このような混合的な業務の積算の在り方、そういうものも含めて検討し、なるべく早くそのような成果が国民の前に提供できるように頑張りたいと思います。

行田邦子君 是非、コスト意識というものを持って業務に取りかかっていただきたいというふうに思っております。
そして、この費用積算見積りが、これがまたおかしいことになっています。例えば、平成十八年度の発注金額は約二千万円なんですけれども、そのうち、私、国 交省からいただきまして費用積算見積りを見たんですけれども、そのうち間接業務費が一千二百万円、発注金額の約六割となっています。間接業務費の明細が付 いていないので国交省さんにお聞きしたところ、内訳は次のようになっています。
技術経費で四百五十万円。技術経費というのは建設コンサルタント等における平素からの技術能力の高度化に要する経費等で、技術研究費及び専門技術料、これ に四百五十万円。そして、諸経費に約七百五十万円。諸経費というのは何かといいますと、当該業務担当部署の事務職員の人件費及び福利厚生費、水道光熱費 等、当該業務担当部署以外の経費であって役員報酬、従業員給与手当、退職金、法定福利費、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、広告宣伝費、交際費、内部 保留金等々、これに約七百五十万円。
〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕
要するに、間接業務費というのは何に使ってもよいと、企業でいうところの粗利益のようなものだと理解しているのですが、発注金額の約六割が間接業務費、粗 利益というのは、営利を目的としない公益法人への発注としてはこの比率は高過ぎると私は思いますが、いかがでしょうか。
政府参考人(佐藤直良君) 業務委託の間接費につきましては、先生御指摘いただいたように、各企業の実態調査、これを踏まえて設定しております。今回の業務におきまして、私どもは土木設計にかかわる設計業務等積算基準を準拠して委託をさせていただいたということになっております。
ただし、この業務の中に、先生御指摘のシステム開発という側面も有する業務でございまして、この種の業務、混合的な業務に特化した積算の在り方について、現在、検討を進めているところでございます。
行田邦子君  今、この業務が土木設計業務の積算見積りで見積もられているとおっしゃいましたけれども、この業務は明らかに土木設計業務じゃないと私は思うんですね。何 でこういうことになっているかといいますと、そもそもこの見積りの算出基準を土木設計業務に当てはめているからこういうおかしなことになってしまっている んだと思うんです。こういういいかげんなことは本当に許されないと思います。
そして、今おっしゃいましたけれども、業務の中の一部がシステム開発とおっしゃっていましたけれども、これは主たる業務は明らかにシステム開発であって、 土木設計業務でも何でもないんです。冬柴大臣にお伺いしたいんですけれども、なぜこのようないいかげんな契約書が交わされてしまうのか、そして費用対効果 としてどうなのかと思われるような成果物が出されてしまうのか、国交省さんの内部でどのようなチェック体制をしいていらっしゃるのか、冬柴大臣にお答えい ただきたいと思います。
大臣にお願いします。
理事(神本美恵子君) 冬柴大臣、お願いします。
国務大臣(冬柴鐵三君) 官房長に答弁をさせます。
政府参考人(宿利正史君) お答え申し上げます。
私ども省内で、会計の経理と財産の管理につきましては、これが適正にかつ効率的に行われているかどうか内部で監査をする仕組み、体制を整えております。具 体的には、国土交通省所管の会計事務取扱規則などに基づきまして、会計監査要領それから毎年度の会計監査実施計画を策定をいたしまして、会計課の専門の職 員が本省の内部部局や地方支分部局の契約あるいは財産管理につきまして計画的な監査を実施しているところであります。
具体的に平成十八年度の実施状況を御報告いたしますと、本省及び地方整備局等の九十一か所に職員延べ二百四十九名にて監査を実施しておりますし、それぞれ 地方支分部局は地方支分部局で整備局あるいは運輸局、外局のその出先の機関に対して監査を実施いたしまして、適切な経理あるいは財産管理の徹底を図ってい るということでございます。
行田邦子君  今、結局、内部監査きちんとやっているというお答えだったと思うんですけれども、そして九十一か所で検査して二百四十九名動員しているというお話だったん ですけれども、結局、今私が指摘したようなこのPMツール、たまたまこのPMツールを指摘させていただいたんですけれども、問題はこれだけじゃないと思う んですね。本当に不適切な支出や契約書式、たくさんあると思うんですけれども、結局、今内部監査しているとおっしゃっていますけれども、それは内部監査に なってない、内部監査の機能を果たしていないんじゃないかと思うんですね。
冬柴大臣に、今の御答弁をお聞きになってどう思われるか、お答えいただきたいと思います。
国務大臣(冬柴鐵三君) 今までの監査結果について早急にまとめさせます。
行田邦子君  是非、本当の意味での内部監査、内部からうみを出していく、そして自ら改善していく、自己改善をしていくという意味でも、この内部監査を本当の意味での内 部監査にしていただきたい、そのために冬柴大臣には是非先頭に立って意識改革を行っていただきたいということをお願い申し上げます。
次に、四月十七日に発表された道路関係業務の執行のあり方改革本部の最終報告書の中で、今後道路特会から支出を取りやめるとされた十五公益法人についてお伺いします。
お手元にお配りした資料の二枚目にまとめております。公益法人の在り方として見直すべき点が多々見受けられます。役員数の欄を御覧いただきたいと思います が、平成二十年三月現在で、常勤理事全員が国交省のOBで占められている法人が十五法人中五法人あります。また、職員の数より理事の人数が上回る法人が九 法人もあります。そして、内部留保額を見ますと、公益法人として望ましいとされている三〇%を超える内部留保率の法人が五法人あります。これは平成十八年 度決算の数字です。最終報告書では、今後道路特会から支出を取りやめる十五法人は、理事数の削減や内部留保の適正化といった見直しの対象となっていませ ん。このままでは公益法人の温存策と受け取られてしまうと思います。道路特会から支出をするかしないかにかかわらず、無駄をなくすという視点で厳しく見直 しを行うべきかと思います。特に内部留保についてお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。


国務大臣(冬柴鐵三君)  私の方は、六月末までということで当初申し上げていたんですけれども、四月に繰り上げて、四月十七日に一応最終報告というものを出しました。しかしなが ら、今御指摘のとおり、十五の公益法人も含めた所管の公益法人につきましては、六月末を目途に、行政と密接な関係にある公益法人ということで集中点検を今 国交省において実施しているところでございます。
この点検におきましては、民間参入など事務事業の見直し、それから役員報酬、役員給与、役員数などの見直し、それから随意契約見直しなど競争的な契約方式 への移行、内部留保の適正化、こういうことを基本的方針に即して問題点を洗い出し、必要な見直しを行ってまいることといたしております。また、公益法人に つきましては、本年十二月から実施される公益法人改革の中におきましても、公益認定基準等を勘案しつつ所要の改革が進められることとなっているものであり ます。
なお、公益法人に対する契約の適正化につきましては、昨年十二月二十六日に、随意契約の改革措置といたしまして、私は他省庁に先駆けまして応募要件を見直 し民間参入の拡大を図ること、それから公募方式は限定し、企画競争などにより、より競争性の高い契約方式に移行すること、それから第三者の監視対象を全品 目に拡大をいたしまして、特に、今後一者応募、まあやむなく一者応募となるものにつきましては重点的に監視をすることなどの措置を講ずることとして、本年 一月から実施をいたしているところでございます。
今後、改革措置の実施状況についてのフォローアップを行うことといたしまして、その結果を分析し、また第三者のチェック等もいただきながら、民間参入をより一層促進するための改善を図っていきたい、このように思っているところでございます。
余剰金等の措置についても、皆様方に分かるように六月末までに私はまとめたいと思っております。
行田邦子君 道路特会、道路特定財源から支出をしなければいいんだということでは決してないと思いますので、この所管公益法人への見直しの手を緩めないでいただきたいというふうに思います。
そして、特にこの内部留保についてなんですけれども、この内部留保、内部留保率が三〇%程度以下であることが望ましいというふうに政府が定めたのは平成九 年のことです。それ以来ずっと、私から言わせればこれが放置されてきたというふうに見られます。この内部留保については、無駄ゼロの集中点検の結果を是非 各公益法人ごとに公表して、そしていつまでに、もし国庫に寄附をするのであればいつまでにそれをやるのかということを個別の公益法人ごとに公表して、そし て適正化の期限を厳正に定めていただきたいというふうに思っております。
冬柴大臣への質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。御退席いただいて結構です。
次に、厚生労働省の労働関連の質問をさせていただきます。
四月二十八日の当委員会で、労働保険特別会計からのタクシー代支出について質問をさせていただきました。平成十九年度の労働保険特会からのタクシー使用回 数上位二十名のうち、人件費が一般会計から出ている職員が七名いましたので、一般会計からもタクシー代が支出されているかどうかお調べいただいた結果、一 般会計ではタクシー代を一切支出していないという御報告をいただきました。人件費は一般会計、残業代も一般会計から出しているのにタクシー代だけは特別会 計というのは、これは会計上私はおかしいのではないかというふうに感じました。
年間百八十二回特別会計だけからタクシー代支出がある職員がいますけれども、この方の人件費、残業代はすべて一般会計となっています。また、政策統括官付 労政担当参事官室の経理担当者二名は、人件費、残業代は一般会計ですけれども、タクシー代だけは特別会計から支出されています。この二人はそれぞれ年に百 三回と九十回特別会計でタクシーに乗っています。
財務省にお聞きしますが、人件費は一般会計の計上なのにタクシー代は特別会計だけから支出されている、この計上の仕方は会計上あるいは予算の執行上適切なのでしょうか。
政府参考人(香川俊介君) 特別会計の業務に従事する職員の人件費などの経費あるいはタクシー代などにつきまして、こういう事業の遂行に直接必要な経費についてはその特別会計の経費として予算計上しております。
一般会計所属の職員が特別会計の業務を行った場合で、その業務に必要となった経費については、その特会で負担するということ自体において制度上あるいは執行上の問題はないというように考えております。
行田邦子君 今申し上げた七名というのは、人件費も残業代もすべて一般会計から出ています。そして、タクシー代だけは特別会計なんです。もし深夜残業した日に特別会計の仕事をしているのであれば、残業代はこれは特別会計から出すべきなんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
政府参考人(香川俊介君)  具体の例がちょっと私ども把握しておりませんけれども、一般会計所属の職員が特会の業務を行った場合、その残業というのが特会の残業なのかどうかよく分か りませんけれども、特会の関係の仕事を行った場合には、タクシー代でありますとか残業代というのは特会から出すということで問題はないというように考えて おります。
行田邦子君  私は、人件費が一般会計から出ているのであれば、この人はやはり一般会計の仕事をしているわけなんですよ。なのに、タクシー代が年に百八十二回というの は、これは業務のうちの、労働日数のうちの七割ぐらいに当たると思うんですね。であれば、この方は人件費も特別会計にそうであればするべきだと思うんで す。会計上おかしいというふうに思っているんですね。
私は、別にタクシーに乗ってはいけないというふうに申し上げているんではないんです。これは会計上の処理がおかしいんじゃないかと、会計上の処理を適切に すべきではないかというふうに思っているんですけれども、舛添大臣、今のあの御答弁、私の質問を聞いてどのようにお考えでしょうか。
国務大臣(舛添要一君) まず、大きなところでいうと、一般会計と特別会計、これまあ特別会計にメスを入れよう、これは党派を超えて今やっているところです。
それで、これは年金の保険料の場合もそうですけれども、これは労働保険料、たしか労働保険料徴収法というのがありますが、この労働保険に関する業務につい ては掛かった費用についてはその特別会計から払うことができると。それで、じゃだれがその業務をやるんですかということになりますと、一般会計に属してい る職員、これは厚生労働省の中に労働関係おりますから、これが出ていった仕事でこれは特会に関係ある仕事ですよといったときにはその費用を払うことはでき るわけです。ただ、人件費については一般会計ですから、それはもう当然に出ます。
そうすると、今おっしゃったような、どういう仕事をしたかということについて言うと、ある仕事についてもう本当にその労働保険のためだけの残業であった と、それからそのために移動しないといけないのでこれはタクシーを使ったと。そこがどこまで明確にきちっと、どこからどこまで、例えば一日のこの人の働き 方でどこからどこまでということがあると思うんです。だから、本当は今委員がおっしゃったように、もう細かく出して、残業代については特会からこれは払い ますよと、それからタクシーも、これはもう全くその労働保険のために、特会のためだけにやったと、それは払いますよということになるんですけど、そこまで 細かく執行できるかどうか。運用の問題もあると思いますけれども、これは、やっぱり今委員が御指摘になった問題、どういう形でやるか。
実を言うと、細かく画然と分けられるならいいんですけれども、一般会計の仕事をしながら片一方で今言った保険料関係の仕事をするというケースもあり得るの で、何か少し、今財務省の答えはそれは法律どおりに読めばそういうふうに読めるんです。ただ、今委員がおっしゃるような、なぜタクシー代だけなのかという 疑義が起こってくるというのは当然のことなんで、何かそこを細かいルール。ただ問題は、それでもなお混在してやったときにどうするかと、その案分率を何割 にするかと、そういうことを決めるかどうか。
ただ、これはちょっとできるかどうか検討させていただきたいと思いますので、問題意識としては的確だというふうに思っております。
行田邦子君 特別会計というのは、使いやすいからこれはもう特別会計で計上してしまえという、言ってみればお財布代わりになってしまうんではないかという疑念が持たれるわけです。
是非これ、私、提案させていただきたいんですけれども、この通常国会では道路特定財源からの職員のタクシー代の支出や職員の福利厚生費の支出について随分 と問題視されました。ただ、これは国交省だけの問題ではないというふうに考えています。私は、職員の福利厚生というのは必要なことですし、深夜残業をして タクシーに乗るなとも思ってはいません。ただ、福利厚生費や交通費の中身や使われ方、そして会計上の処理の仕方が今これだけ国民の関心を呼んでいて、そし て不透明であることが政治、行政不信を招いているわけですから、国民の皆様に説明はきちんとできるように明らかにすべきだと考えております。
ここで是非、私、御提案したいんですけれども、こういった職員の交通費、福利厚生費の計上が適正に行われているかどうか、是非、会計検査院にお調べいただきたいと思っております。当委員会で会計検査院に調査を要請することを、委員長、御検討いただけないでしょうか。
理事(神本美恵子君) 後刻、理事会で協議します。
行田邦子君 お願いいたします。
次に、平成十八年度の会計検査院の検査で不当と認められた労働関係調査委託事業について伺います。
労働省では、労働組合やその他労働に関する団体の動向の調査業務を厚労省OBなどに調査委託を行っています。この調査は昭和三十一年から継続的に行われて いますが、会計検査院が平成十三年度から十八年度について検査を行った結果、会計処理が著しく適正を欠いていて、不当と認めています。
調査委託契約書には、委託調査費をどのように使用したのか分かるような出納関係書類を厚労省に提出すること、そして調査結果を文書でも報告することとなっ ているにもかかわらず、両方ともほとんどの受託者の文書が残っていないということなんです。不当な会計と会計検査院に指摘された金額は六年間で一億八千万 円に上ります。これは契約事項が守られていないわけですから、厚労省として委託費の返還を求めるべきだと私は思います。そしてまた、必要書類の検査を怠っ た担当者の責任を明確にすべきと思いますけれども、どのような処置を厚労省としてとられましたか。
政府参考人(小野晃君) お答え申し上げます。
労働関係調査委託事業につきましては、委託契約書に定められた関係書類の作成、整備などがなされていないなどの不適切な事務処理が行われていたことは事実 でございまして、誠に遺憾であると考えております。このため、昨年の十一月に平成十三年度から十八年度までの間に本事業を担当いたしました職員に対しまし て、五名を懲戒処分といたしましたのを始め合計九名に対する厳正な処分を行ったところでございます。なお、本事業につきましては、近年における社会労働情 勢の変化などの諸事情を勘案して平成十八年度に廃止したところでございます。
お尋ねの返還の問題につきましてでございますけれども、受託者などからの聴取におきましては、受託者は委託費の全額を情報収集に必要な活動費に使用し、収 集した情報を厚生労働省に口頭で定期的に報告していたとしておりまして、また、委託契約上報告を受ける立場にありました厚生労働省の担当者は受託者から多 数の有益な情報が報告されたとしております。
さらに、受託者から情報収集の結果について口頭で報告があった際に、担当者は報告の内容を書き取ったメモを作成しておりまして、このメモが実際に現在残さ れておりますけれども、残されている一部のメモから見まして、受託者から多数の有益な情報が報告されていたと客観的に認められているところでございます。
これによりまして、行政のみでは把握が困難な労働組合などの取組、活動方針の基になる考え方や国の政策に対する考え方等が把握されまして、これらの情報が 国による施策の企画立案に活用されていたということを勘案しますと、本事業については所要の成果が得られ、国に損害が生じているものとは考えられないとい うことから、厚生労働省としては受託者から返還を求めることは適当でないと考えております。
以上でございます。
行田邦子君  受託者から有益な情報が得られたから返還を求めないということですけれども、私が問題にしたいのは、契約書上、これは第七条となっていますけれども、受託 者が後日文書で報告するというふうになっています。口頭で報告したものを厚労省の担当の方が聴き取ればいいということではないはずです。
私が何を申し上げたいかといいますと、先ほどの国交省のPMツールとも同じことなんですけれども、業務委託を行う際の契約書のチェック、成果物のチェック が厚労省さんは組織として非常に緩いのではないかと思えてならないんですね。担当の部署だけではなくて、例えば法務や会計といった他部署のチェックをしっ かりと行う体制が整っていれば、このような、会計検査院から不当と言われてしまうような、認められてしまうようなことは未然に防げたのではないかと私は思 います。
このチェック体制について舛添大臣のお考えを伺いたいと思います。大臣にお願いします。


国務大臣(舛添要一君) 大臣に就任して八か月たちます。いろんな問題点がこれまでも出てきて、大なたを振るってこの省の大改革をやらないといけないというふうに思っています。
まず第一は、情報を国民ときちんと共有すると。それは薬害の問題であっても年金の問題であってもそうでありますので、広報体制の確立ということで、まず直 属の広報委員を私が任命して今その改革をやらしております。それから、ホームページなんかについても、とにかく情報が上がってくるのは一月、二月たってか らだと。こういうこともやっています。
そして、今委員がおっしゃったことは非常に重要で、やはりこれだけ大きな省になりますと、しかも途中で厚生省と労働省が一緒になった。今労働行政のお話を なさっています。職員の相互交流のようなことも起こっていますけど、まさに省内にあってこの縦割りということになっていますので、今どういう形でこれを チェックするか。今、私の下に改革準備室というのを置きまして、これをやがて改革推進室に上げて、今委員がおっしゃったことについてもきちんと、国民に疑 義が生じない、国民のための仕事をしているんだと、そういう体制をつくってまいりたいと思っております。

行田邦子君 先ほどの冬柴大臣にも申し上げましたけれども、まずは、自ら正していく自己改善、内からの意識改革ということを是非とも厚労省でもお願いしたいと思います。そして、スピードアップしてやっていただけたらというふうに思っております。
舛添大臣への質問はこれで終了しました。ありがとうございました。
これまでの時間を使いまして国交省、厚労省さん中心に幾つか質問をさせていただきましたが、政府における様々な無駄、すべて結局は税金の無駄遣いということになりますが、こういった無駄を減らすためにどのようなことに取り組むべきかについて伺いたいと思います。
時間も限られておりますので、まずは自己改善ということかと思います。内部からの意識改革ということかと思いますけれども、そのためには、質問ではなく今 日は意見にとどめさせていただきますけれども、まず一つ目には、各府省の内部監査機能を強化すべきというふうに考えております。それぞれの府省でもう強化 しているというふうに思われるかもしれませんけれども、量的な強化だけではなくて、質的な強化も是非考えていただきたいというふうに思っています。
そして第二点目、自己改善、内部からの意識改革ということで、これ、質問させていただきたいんですけれども、内閣官房にお聞きします。
現在、各府省において、国交省なら国交省全体、厚労省なら厚労省全体で外部への支出、業務発注を把握するためのシステムが整備されていないようなんです ね。最初はそんなことがあるはずはないと思ったんですけれども、いろんな方、関係する方に聞いてみたんですが、やはりそれは確かに存在しないということな んです。これは信じ難いことだと思います。今、福田総理の掛け声の下、政府における無駄な支出をなくしましょうと言っているときに、例えば所管公益法人ご とに、どの部署やどの出先機関でどのような業務委託がなされたのか、金額や契約方式、業務期間、こういった情報を省全体として把握するためのシステムがな い、システムが整備されていなければ支出のチェック、見直しに膨大な時間が掛かることになります。
自ら見直して意識改革を促すためにも、業務発注管理システムの整備は急務と考えます。いかがでしょうか。
内閣官房副長官(岩城光英君) お答え申し上げます。
委員がおっしゃる、今御指摘ありましたことは、行政の無駄をなくす上で極めて大切なことだと認識をしております。
そこで、国の契約に係るシステムにつきましては現在総務省において構築中でありまして、このシステムにおきまして国の契約に係る契約の相手方あるいは品名、数量、金額といった情報を一元的に管理できるようにする予定でございます。
いずれにいたしましても、契約業務の効率化を始めとして無駄を排除していくことは重要と考えておりまして、先般、総理の無駄ゼロの指示の中でもITを活用 して内部管理業務を効率化するとの検討指示もあったところでありまして、議員の御指摘も踏まえまして、どういった効率化方策があるか、今後検討してまいり たいと考えております。
行田邦子君 そのシステムはいつまでに導入する予定になっていますか。
内閣官房副長官(岩城光英君) 今のところ、二年後を目途にということで考えて検討中でございます。(発言する者あり)
行田邦子君 皆さんも遅いというふうにおっしゃっていますけれども、本当に私もそれは遅いというふうに思います。是非スピードアップをして開発を進めていただきたいというふうに思います。
そして、ちょっと時間が限られていますけれども、最後に、今日私が一番申し上げたいことなんですけれども、税金の無駄遣い、政府における様々な無駄をなく すためには、その根源にさかのぼって根っこから絶たなければいけないというふうに思っています。なぜ、これだけ本当にあきれてしまうような所管公益法人へ の過剰な支出、不適切な支出、そして随意契約がなくならないのか。それは、そこに天下りがいるからなんですね。各省庁のOBを、言葉は悪いですけれども、 養わなければいけないから、毎年毎年随意契約で、一見もっともらしい件名の発注をもっともらしい理由を付けて繰り返していく。じゃ、なぜ天下りがなくなら ないかというと、国家公務員の肩たたき、早期勧奨退職という慣行があるからなんです。
これはもう皆さんよくお分かりになっていると思うんですけれども、お手元に人事院が作成した資料をお配りしています。三枚目の資料です。色が濃くなっている部分が肩たたきの対象となっています。課長職辺りから徐々に肩たたきが始まっていく。
この肩たたきという慣行は半ば制度化していると言ってよいと思います。官僚組織のトップである事務次官が最古参でなければいけないというピラミッド型組織 の在り方というのは、社会環境や国民の意識が変化する中で、いいかげん見直すべきではないかと思っております。所管公益法人への無駄な支出が起きる元をた どっていった先には結局、早期勧奨退職という制度化された人事慣行があるわけです。
増田大臣に伺います。早期勧奨退職の現状についてお教えください。
国務大臣(増田寛也君)  お答え申し上げますが、早期勧奨退職ですけれども、これは今委員御指摘のとおり、いわゆる押し付け的な天下り問題にもつながるものでございまして、これは 政府で、平成十四年、六年ほど前ですが、平成十四年に閣僚懇談会申合せということがございまして、その中で、今年度までを目標年度として原則としてその当 時の現状と比べて平均の勧奨退職年齢を三歳以上高くしようと、こういう目標を決めまして、そして各年ごとに各省においてこの早期退職慣行というものの是正 に取り組んできたと、こういうことでございますが、しかし、数字を調べますと、昨年までのその年齢の引上げが、三歳を目標としておりましたけれども、まだ 一・四歳という、平均でありますけれども、そういう状況でございました。
そこで、先般の閣僚懇談会で私も、大体こういうものを是正するというのは、多くの省庁は夏に人事異動があるものですから、この夏の人事検討のときにやはり これに真剣に取り組んでいただかにゃいかぬということで、閣僚懇談会で私の方から各大臣にこの勧奨退職年齢を改めて確認していただいて、これを少しでも引 き上げていただくようにお願いをいたしたところでございますが、こうしたことについて当然政府としても真剣に、かつ強力に取り組んでいかなければならない と、そういうふうに考えております。
行田邦子君  政府の目標として三歳平均年齢を高めるということでしたけれども、私は、三歳上げるとか何歳上げるという目標ではなくて、そもそも早期勧奨退職というこれ は半ば制度化されてしまったこの人事慣行を廃止しなければいけないと思うんですね。廃止をするという方向で目標を定めていただきたいということを切にお願 い申し上げたいと思います。
そして、最後ですけれども、渡辺行革大臣に伺います。
今、衆議院で審議されている国家公務員制度改革基本法案では早期勧奨退職について触れていません。その理由と、それから渡辺大臣の早期勧奨退職に対するお考えをお聞かせください。
国務大臣(渡辺喜美君) 早期勧奨退職はなくしていかなければなりません。また、今の改革プランを実行することによってなくなっていくものと考えております。
昨年御審議をいただきました国家公務員法改正において年次主義をやめようと、それから試験区分に基づいた人事をやめようということになりました。今回は更 にそれを推し進めて、Ⅰ種合格者が固定身分的に昇進のルートに乗るキャリア制度そのものを廃止をしてしまおうと。また、天下りというのは各省が採用から人 材育成、幹部登用、天下りという一連の人事の中で行っているわけであります。したがって、同期横並びで昇進していくわけですから五十過ぎたら肩たたきをせ ざるを得なくなる。ですから、こういう人事慣行の構造的なところにメスを入れて天下りを根絶していこうというのが昨年に引き続く今回のプランでございま す。
行田邦子君  今のこの改革法案では、渡辺大臣は、法律上は存在しない、そもそも法律上は存在しないキャリア制度というものを基本法によってなくそうとしていますけれど も、であれば、同じく法律上は存在しない早期勧奨退職という制度もこれも今回の基本法によってなくしていただきたい、廃止していただきたいというふうに私 は考えているんです。
能力主義、そして成果主義というものが浸透すれば、肩たたき、早期勧奨退職は自然となくなっていくというお考えかもしれませんですけれども、私はそれは甘 いと思うんですね。能力主義というのが役所の中で浸透していくには相当時間が掛かると思うんです。相当時間が掛かった上にやっとそこで早期勧奨退職がなく なるというのでは、余りにも遅過ぎると思うんですね。せっかくこの基本法というのを今制定しようとしているわけですから、ここに一文でも早期勧奨退職を廃 止する方向で検討するといった文言を入れるべきでないかと私は考えております。
時間もありませんので、今日はこの意見表明にとどめさせていただきます。質問を終わります。


 


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