
| 2008(平成20)年6月5日 総務委員会質問(公務員制度について) |
○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。
この通常国会では、政府における様々な税金の無駄遣いが指摘をされております。私自身、国会議員として働く以前に想像していた以上の信じ難い税金の無駄遣 いを目の当たりにして、一体これがどこに根源があるのかたどっていくと、結局は国家公務員の人事慣行に行き着くのではないかという理解に至りました。
本日は、国家公務員の人事行政を所掌する増田大臣に何点か質問をさせていただきます。
政府における様々な無駄遣いの中で深刻な問題が、所管公益法人への不適切な業務委託、そして過剰な支出だと私は思っております。ここで、所管公益法人への支出状況がどのようになっているのか、簡単に整理をしておきます。
まず、各府省と所管公益法人等との随意契約の実態ですが、昨年十二月の内閣府の公表によると、平成十八年度は競争性のない随意契約による支出が全府省合計 で一兆六千二百五十一億円という莫大な金額になっています。こういった一・六兆円という随契業務は本当にこの公益法人でなければ仕事ができなかったのか、 そしてそもそもその業務発注というのは本当に必要だったのかといった疑念が持たれるわけです。
また、会計検査院の検査によると、平成十七年度及び平成十八年度十二月までの二十一か月の間に、各府省から随意契約による業務委託、支出があった所管公益 法人の数は一千二百二十三法人、そのうち九百六十二法人に所管府省の再就職者、いわゆる天下りが在籍しています。その数は九千九百九十三人、約一万人の OBが随意契約先公益法人に天下っているということになっています。
そして、これら天下りがいる公益法人への随意契約の支払金額は、平成十七年度だけで三千五百八十八億円という巨額に上っています。一万人の天下りがいる公益法人に年間三千六百億円の随意契約による支出が行われているということになっています。
なぜ、この所管公益法人への過剰な支出、そして不適切な業務委託が減らないのか、随意契約をしてまでも税金を公益法人に流さなければいけないのか、それはそこに天下りがいるからなんですね。天下りを、言葉は悪いですけれども、養わなければいけない。
じゃ、なぜ天下りがなくならないのかというと、それは国家公務員の早期勧奨退職という人事慣行、いわゆる肩たたきという人事慣行が続いているからなんで す。定年まで役所に勤めることができないから天下りをせざるを得ない。しかも、定年までいれないというのは本人の意思ではなくて役所の都合なわけですか ら、結局役所がその職員の天下りの面倒を見ることになる。こうして一・六兆円もの随意契約による所管公益法人への税金の流出、この元をたどっていくと国家 公務員の肩たたきというところに行き着くわけです。
総務大臣に、増田大臣にお伺いしますが、この早期勧奨退職という人事慣行、総務大臣は是正の推進というお立場で所掌されていると思いますけれども、この肩たたきについて大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) 早期退職慣行、これがもう今は行き過ぎて、それでやはり様々な弊害を呼んでいるとい うふうに思います。ですから、この早期退職慣行制度と、まさに慣行で、決まったものがあるわけじゃないんですが、こういう慣行は見直しをしておかないと様 々な弊害が生ずるというふうに思います。
今お話がございました、定年まで勤めるというのが本来の姿でありますので、そういう本来のあるべき姿に向けてこうした制度を是正をしていくということが私 どもの役割でありますし、そのために、少なくとも在職者の退職の年齢を引き上げるようにということで今各省に要請をしてございますが、御指摘いただきまし たとおり、この早期勧奨退職、早期退職の慣行、こういったものを是正をしていくために総務省としてその役割を従前にも増して今後果たしていかなければいけ ないというふうに思っております。

○行田邦子君 今大臣から、肩たたき、早期勧奨退職の是正に努めていくという御答弁をいただきましたけれども、私は是非、一歩踏み込んで、更に踏み込んで、是正ということではなくて廃止ということで取り組んでいただきたいというふうに思っております。
天下りに関連してお尋ねしますけれども、年内に設置される予定の官民人材交流センター、天下りバンクと呼ばせていただきますけれども、このひな形と言えるんでしょうか、総務省所管で平成十九年度まで行われていた人材バンクについてお伺いしたいと思います。
人材の登録の件数、求人件数、成約件数、そしてこれまでに要した運営費等についてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(藤井昭夫君) お答えいたします。
試行人材バンクは平成十二年度から設けられているわけでございますが、求人件数について、これは毎年でよろしゅうございますでしょうか。毎年毎年申し上げ ますと、十二年度に二十六件、以下、七件、七件、八件、五件、十九件、二十九件、十九年度は民間事業者への委託も行わせたということで百七十九件と、こう いう推移になっております。
それで、成案を得たものは一件でございます。これは局長級の職員でございますが、大学の客員教授という形でまとまっているところでございます。
予算の方はちょっと手元に資料がないんですが、毎年一千万内外の予算であるというふうに記憶しております。
あと、体制の方は実は非常に零細でございまして、わずか二人ぐらいの定員で管理していると、そういうものでございます。
○行田邦子君 今、実績、成立件数、局長クラスで一件と、七年間に一件ということでしたけれども、そしてこの人材バンクに要した費用ということで、七年間ですから七千万円でしょうか、掛かったということだと思います。
この人材バンクの行政評価、総務省では行政評価を所掌されていると思いますけれども、人材バンクの行政評価ということをされたことはありますでしょうか。

○政府参考人(藤井昭夫君) 総務省も自らの事務事業について政策評価を毎年やっているわけですが、この人材バンク制度についても毎年評価を行っております。その評価結果はこれまた総務省の政策評価の実績報告書というような形で公表をしているところでございます。
ちなみに、平成十九年度の政策評価におきましては、たまたまそのとき新たな官民交流センターという同様の仕組み、立派な仕組みができるということもござい ました。それから、今までの実績なんかも踏まえてもう廃止、縮小というような形で方向性を結論付けているところでございます。
○行田邦子君 毎年行政評価を行っていたということは初年度から行っていたということだと思うんですけれども、にもかかわらず一向に改善しないということは非常に疑問を感じる、そもそもこの人材バンクという制度自体に問題があったのではないかというふうに思うんですけれども。
増田大臣にお伺いしますけれども、この人材バンク、簡単に言ってしまえば失敗だったと言えると思うんですけれども、なぜ機能しなかったのか、どこに問題があったのか、大臣御自身のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。大臣御自身のお考えをお願いします。
○国務大臣(増田寛也君) 失敗だったと思いますね、これは。ちゃんとやっぱり取り組んでなかったということだと思います。
一件例があったということのようでありますけれども、周知も十分でなかったでしょうし、それから、私も求人登録件数自体が大変少ないということを聞いてど ういう原因かなというふうに思いましたんですが、やはりこういったところを通じて、そして企業とそれから退職公務員とを実際のニーズを合わせていくとい う、そういうことよりも、直接各省といろいろお話をしたり、あるいは先ほどのような、実際にはいろいろ様々な形態で天下り等もあったということで、これは 形としては本来あるべき、人材バンクで、そこを通じてということなんだろうと思いますが、まだまだそういった面で、求人面からもそれから送り出すサイドか らも意識が全体としてやっぱりそろってなかったんだろうと。
私も知事時代に、県のときに、やはり同じような、今度こういう人たちがお辞めになりますということで、人材バンクに似たような形のものをつくりまして、そ れで運用した経験がございます。そのときもなかなか最初はうまくいかなかったんですが、だんだんに定着してきたようなことはあるんですが、かなり相当意識 を持ってやらないといけませんし、また、ここの部分だけでなくて、やっぱり先ほどお話ございました早期退職慣行の見直しとか、いろんな面を総合的にやって いかないとうまくいかない。
ですから、この人材バンクをつくった背景ですとか、それから他の部分の改革を合わせてしっかりとずっと継続的に行って、どんどんどんどん人材バンクの方に人を寄せていくようなことがやっぱり十分でなかったんではないかと、こういうふうに思っております。
○行田邦子君 私、そもそも組織的に制度として職員に対して再就職をあっせんする、天下りをあっせんするという 考え方そのものに問題があったんだろうというふうに思っています。そういう意味では、年内に設置される予定の官民人材交流センター、天下りバンクも同じこ とだと思っています。
今後、各府省で行っていたあっせんを禁止してそして天下りバンクに一元化すると、一元化すれば問題はなくなるというような政府の見解もあるようですけれど も、そうなったらなったで、一元化したらしたで、各府省は形式的には天下りバンクを通せばいいと、逆に天下りバンクを手続的に通せばそれで済んでしまうと いうようになってしまって、結局は天下りバンクというものは形骸化してしまうというふうに思っております。
そして、そもそもですけれども、政府を挙げて組織的に天下りをあっせんするというようなことに時間や労力、そして国民の皆様が納めた税金を掛けるというこ とではなくて、先ほど大臣もおっしゃられたように、むしろその天下り、税金の無駄遣いのもととなっている天下りの更に根っことなっている肩たたき、早期勧 奨退職という制度をやめる、そしてそのために定年まで働き続けたい方は働き続けられるような労働環境を整える、人事制度を整えるということに注力を政府と してすべきではないかというふうに私は思っております。この税金の無駄遣いのもととなっている天下りの問題を考えるときには、必ず早期勧奨退職ということ をセットで考えなければいけないというふうに私は思っております。その点において、先ほどの増田大臣の御答弁で、大臣も同じようなことをお考えになってい るかというふうに認識をしております。
それでは、肩たたきという人事慣行によって国家公務員の勤続状況がどのようになっているのか、伺いたいと思います。一年間の離職者のうち定年退職者の占める割合をできれば採用試験区分別、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種、選考採用別にお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井昭夫君) 私どものところでは採用試験種別の退職者に占める定年退職者の割合というものについては把握してございません。ただ、俸給表の級別あるいは指定職俸給表を受けている者、そういったものの別では把握しているので、その数値でちょっと代用させていただきたいと思います。
それで、まず指定職俸給表でお給料をもらっていた方とか、あと一般職の俸給表では八級以上、八級以上というのは大体課長相当職以上でございますが、こう いった人たちの割合でございますが、まず定年退職者の割合は一二・一%、人数では八十二人、それから勧奨退職を受けた者、これは八三・三%、人数では五百 六十二人、それから自己都合でお辞めになった方四・六%、人数では三十一人、全体は六百七十五人でございます。それから、課長未満、補佐以下で辞められた 方、七級以下ということになりますが、こういった方々、これはまず定年でお辞めになった方々でございますが、比率でいけば二七・二%、人数では千五百四十 五人、それから勧奨退職で辞められた方二八%、これは人数でいけば千五百九十四人、それから自己都合等で辞められた方、これは多うございまして、四四・七 %で二千五百三十八人、計で五千六百七十七人と。以上でございます。

○行田邦子君 今八級課長職以上でくくると定年退職が全体の離職者の一二・一%ということだったと思いますけれ ども、これは非常に低い数字だというふうに思います。特にⅠ種採用、キャリア組と呼ばれている方たちというのは、数字がないということでしたけれども、こ れ是非把握された方がいいと思うんですけれども、定年まで勤務される方というのがほとんどいらっしゃらないのではないかというふうに推測をしております。
それでは、実際に国家公務員として働こうとしている方たちはどのような意識でいるのか、人事院が大変興味深い調査を行っています。今年度、Ⅰ種で採用され た職員に対して意識調査を行った結果なんですが、定年まで公務員生活を続けたいと回答した人は四二・三%、七年前の平成十七年から七・八%増えています。 一方、条件が合えばいつでも転職を考えたい又は長期間勤めてから転職を考えたいという転職志向組は二三・八%、七年前から一〇・七%減っています。
増田大臣にお伺いしたいと思いますが、この新人の国家公務員の勤続意識と、それから現状の勤続状況、随分と乖離をしていると思いますが、人事行政を所掌する立場としてどのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(増田寛也君) やはり、そういった制度がずっとつくられていく中で、今、国家公務員を目指す人たちの意識というのは大変多様化している、それから社会の、まさに就職をす る、その就職戦線というか、そういうところの状況、それも随分違っているということがございます。ですから、私はまさにそういう調査は調査としてきちんと 受け止めておかなければならないと思います。
まさにそういう意識の人たちがこれからこういう国家公務員という制度の中でどういうふうに、本当に国民の期待にこたえるような働きをしていくのか、あるい はその能力を最大限発揮することができるのか、やはりそこの差というものを十分に見ながら制度を不断に見直しをしていかなければならない、やはりそういう ものとしてそういう調査をきちんと生かしていくべきではないかなと、こういうふうに思います。

○行田邦子君 早期勧奨退職、肩たたきという慣行は、税金の無駄遣いの根源となっているだけではなくて、公共のために働きたい、そして定年まで公務員として勤めたいと思って入省した若い公務員の方たちの働く意欲、就労意欲もそぐことになるのではないかというふうに思っております。
この肩たたき、なぜ肩たたきを続けるのかというと、それは年功序列型のピラミッドを守らなければいけないからということになるかと思います。ピラミッドの 頂点にいる事務次官が組織の最古参でなければいけないというこの年功序列型のピラミッド、私は、今の社会情勢の変化そして国民の意識の変化に対応して、い いかげん改めるべきではないかというふうに思っております。自分より年次が下の人間が自分の上司になることもあり得る、それもやむを得ないとどこかで意識 を変えていかないと、国家公務員の人事制度だけが世の中の常識から取り残されてしまう、このように考えています。そして、天下り先への税金流出も止まらな い。時代にそぐわない人事制度をかたくなに守ろうとすることによって、結局はそのツケは国民に回されてしまうわけです。
私は、国家公務員の人事行政を所掌する増田大臣には、是非ともまずはこの早期勧奨退職という半ば制度化された人事慣行を是正するというよりも、一歩踏み込 んで廃止するという方向で内閣の一員として努力をしていただきたい、このことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。


